銀歯はちょっと・・・被せ物の種類

「あれ?私の奥歯、ギラギラ光ってる・・・」

保険を適用して受けることができる虫歯治療では、金銀パラジウム合金、いわゆる「銀歯」と呼ばれる金属を使用することが多いです。
銀歯は比較的安価でなおかつ金属のため丈夫さがあり、メリットもあるのですが、その一方で銀歯は「ギラギラ光って見た目が悪くなる」「使い続けていると黒ずんでくる」「金属アレルギーの原因になる」など、デメリットも多く、今では、銀歯よりも自然な歯の見た目に近い「オールセラミック」等のかぶせ物を選択する方も増えてきました。
ここでは、虫歯治療で使われているかぶせ物にはどのようなものがあるのか、および、保険診療と自費診療で選ぶことができるかぶせ物の違いについてご紹介いたします。

銀歯の写真

■保険診療で選べるかぶせ物

1-1.硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠は、保険診療で選ぶことができるかぶせ物です。
硬質レジン前装冠は硬質レジンという白い色をしたプラスチックの樹脂を金属製の冠の表面に貼り付けて作られています。
硬質レジン前装冠は、一番前側の中央にある前歯の「中切歯」、中央の前歯から数えて2番目の歯となる「側切歯」、そして一般的には糸きり歯と呼ばれている「犬歯」、の3種類の前歯にのみ、保険を適用した治療が可能となります。

○メリット
  • 冠の土台が金属製のため壊れにくい
  • 治療を受ける患者様の歯の色に白さを合わせることができる
●デメリット
  • 前歯にしか保険を適用できない
  • クラウンの裏側(舌側)は銀色のため、「歯の見た目をぜんぶ白くしたい」という方には向かない
  • 長期間の使用によって着色や変色がおきる
  • 土台部分が金属のため、金属アレルギーをおこすおそれがある
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ5,000円程度

1-2.硬質レジンジャケット冠

硬質レジンジャケット冠は、かぶせ物全体がプラスチック樹脂の硬質レジンでできています。
硬質レジンジャケット冠は硬質レジン前装冠のように舌側の部分が銀色ではなく冠全体が白色のため、かぶせ物を全部白い色にしたい場合に適しています。
治療では、硬質レジン前装冠と同様に中切歯、側切歯、犬歯の3種類の前歯に保険が適用できるほか、犬歯の隣の第一小臼歯にも保険適用が可能です。

○メリット
  • 冠全体が白く自然な見た目になる
  • 金属不使用のため金属アレルギーをおこす心配がない
●デメリット
  • 冠全体がプラスチック樹脂でできているため、ひび割れやすり減りが発生しやすい
  • 長期間の使用によって着色や変色がおきる
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ3,000円程度

1-3.ハイブリッドセラミックレジン冠

ハイブリッドセラミックレジン冠は、プラスチック樹脂のレジン、そして陶器からできているセラミックをミックスした素材で作られたかぶせ物で、CAD/CAMという機械を使って製作します。
以前は、ハイブリッドセラミックレジン冠は保険適用外のかぶせ物でしたが、2014年4月より第一小臼歯と第二小臼歯(前歯の中央部分から数えて4番目と5番目にある歯)にのみ保険の適用が可能となりました。

○メリット
  • 硬質レジンジャケット冠よりも強度が高い
  • 金属不使用のため金属アレルギーをおこす心配がない
●デメリット
  • ・硬質レジンジャケット冠よりも強度は高いものの金属のかぶせ物と比べると丈夫さに欠けるため、ひび割れやすり減りが発生しやすい
  • 長期間の使用によって着色や変色がおきる
  • CAD/CAMの設備がある歯科医院でなければ保険を適用した治療を受けることができない
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ9,000円程度

■自由診療で選べるかぶせ物

2-1.オールセラミッククラウン

自由診療で選択可能なオールセラミッククラウンは、冠全体が陶器のセラミックでできているかぶせ物です。
オールセラミッククラウンは歯科治療で使われている素材の中でもトップクラスの透明度があり、天然の歯にもっとも近い質感を再現できます。

○メリット
  • 透明度が高く、天然の歯とほとんど変わらない見た目の白く美しい歯を再現可能
  • 汚れがつきにくく、かつ変色しにくい
  • 金属不使用のため金属アレルギーをおこす心配がない
●デメリット
  • 陶器のセラミックから作られているため、まれに割れや欠けが発生することがある
  • 強度を保つために厚みを出す必要があり、ほかのかぶせ物よりも歯を削る量が多くなる
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ8~15万円程度

2-2.ジルコニアクラウン

ジルコニアクラウンは人工ダイヤモンドのジルコニアでできているかぶせ物です。
ジルコニアクラウンは土台部分がジルコニアで作られており、表面部分にはセラミックが使われています。

○メリット
  • 人工ダイヤモンドでできているため強度が高く、負担がかかりやすい奥歯の治療にも適している
  • オールセラミックより審美性は劣るものの透明度に優れており、天然の歯とほとんど変わらない白く美しい歯を再現可能
  • 汚れがつきにくく、変色をおこすことはほとんどない
  • 金属不使用のため金属アレルギーをおこす心配がない
●デメリット
  • 強度があり天然の歯よりも硬い素材のためかみ合わせ部分に負担がかかりやすく、歯を痛めてしまうケースがある
  • 強度を保つために厚みを出す必要があり、ほかのかぶせ物よりも歯を削る量が多くなる
  • 土台部分のジルコニアが割れることはほぼないが、まれに表面のセラミックが割れたり欠けてしまうことがある
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ10~20万円程度

2-3.メタルボンドクラウン

メタルボンドクラウンは金属製の土台部分に陶器でできたセラミックを貼り付けてあるかぶせ物です。

○メリット
  • 土台部分が金属でできているため強度が高く、負担がかかりやすい奥歯の治療にも適している
  • 汚れがつきにくく、変色しにくい
●デメリット
  • 白い見た目の歯にすることができるが、内側が金属のため、歯の白さは多少にごってしまう(内側の金属が透けて黒く見える)
  • 強度があり天然の歯よりも硬い素材のためかみ合わせ部分に負担がかかりやすく、歯を痛めてしまうケースがある
  • 土台部分の金属冠が割れることはほぼないが、まれに表面のセラミックが割れたり欠けてしまうことがある
  • 土台部分が金属のため、金属アレルギーをおこすおそれがある
[治療にかかる費用]
  • 1本あたりおよそ8~15万円程度

【白く美しい歯で自然な笑顔を演出】

保険診療および自費診療で選べるかぶせ物についてご紹介しました。

安いから、という理由で選択することが多い銀歯ですが、美しさの点においては今回ご紹介した白いかぶせ物の方が優れており、治療を受けることによって、より自然な見た目の歯を取り戻すことができます。

もし、銀歯がギラギラ光って気になる、銀歯のせいで金属アレルギーになった、など、銀歯に関するお悩みがあれば、まずは一度、実績と経験が豊富で信頼できる歯科医師に治療のご相談をされてみることをおすすめします。

当院でのメタルフリー治療について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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  • -この記事を監修した歯科医-
    わかば歯科クリニック院長 板野 賢
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