短期間で歯並びを治す方法はあるの?

歯並びを治すために行う歯列矯正には、代表的な治療法としてブラケットとワイヤーを歯に装着するブラケット矯正があります。
しかし、ブラケット矯正は数年間という長い治療期間を必要とするほか、治療にかかる費用も高額になるため、なかなか矯正に踏み切れない・・・という方も多いのではないでしょうか。
短期間で歯並びを治す方法としては、セラミックでできた薄いチップを前歯に貼り付ける「ラミネートベニア」があります。
ラミネートベニアは歯を動かさずに前歯の歯並びを短い期間で治すことができる治療として、現在、高い人気を博しています。
ここでは、ラミネートベニアについて詳しくご紹介いたします。

ラミネートベニアの写真

■ラミネートベニアとは

ラミネートベニアとは、陶器から作られたセラミック製の薄いチップを前歯の表面に貼り付けることによって歯を白くする治療法です。
ラミネートベニアは歯の色を改善するのが主な目的ですが、形を調整しながらセラミックチップを貼り付ける治療のため、前歯のすきっ歯や前歯の軽度の歯並びの乱れも治すことができます。
ラミネートベニアの治療では、前歯の表面のエナメル質を削り、歯科用の接着剤を使ってセラミックチップを貼り付けていきます。
ラミネートベニアは初診も含めて2回ないしは3回前後の通院で施術が完了するため、「できるだけ早く歯並びを治したい」という方に適した治療法のひとつです。

■ラミネートベニアが適している症状

1.歯の色を白くしたい場合

歯の色を白くする治療としては、過酸化水素水を使って歯の汚れを分解除去するホワイトニングがありますが、ホワイトニングは着色汚れが強いケースやテトラサイクリン歯などの薬剤による色素沈着を起こしているケースでは歯を白くすることができません。
その点、セラミックチップを前歯に貼り付けるラミネートベニアであれば、ホワイトニングで白くできなかった歯も美しく白い歯にすることが可能です。

2.すきっ歯を治したい場合

ラミネートベニアは歯と歯のあいだが開いているすきっ歯を治すこともできます。
すきっ歯を治療する際には、セラミックチップを前歯に貼り付けて歯を少しだけ大きくすることで歯と歯のすき間を埋めて綺麗な見た目にします。
なお、まるまる1本分のすき間が開いているようなすきっ歯はラミネートベニアの適応外となります。

3.軽度の歯並びの乱れを治したい場合

前歯のラインが少しだけでこぼこになっている軽度の歯並びの乱れであれば、ラミネートベニアで症状を改善することができます。
ただし、左右の段差が大きい場合や前後に歯がでているケース、全体的に大きく歯並びが乱れているケースではラミネートベニアを適応することはできません。

4.歯の形そのものを治したい場合

かみ合わせに影響がでない範囲に限られますが、ラミネートベニアは歯の形を変えることも可能です。
たとえば前歯を四角い形にしてそろえたい場合や、女性らしい丸みのある歯にしたいときにはラミネートベニア治療が適しています。

■ラミネートベニアのメリット・デメリット

[メリット]

  • ○歯を動かさずに短期間で歯並びを治すことができる。
  • ○かぶせ物をするオールセラミックに比べて歯を削る量が少なくて済む。
  • ○ホワイトニングが適用できなかった歯でも白くすることが可能。

[デメリット]

  • ●保険が適用できないため、治療はすべて自己負担となる。
    (1本5万円~15万円程度の費用が必要)
    (※ 歯科医院によって価格差があります)
  • ●削る量は少ないが(0.5mm程度)、健康な歯の表面を削る必要がある。
  • ●歯ぎしりや食いしばりによって欠けや割れが発生することがある。
  • ●大きな歯並びの乱れを治すことはできない。
  • ■ラミネートベニア治療を受ける際の注意点

◎歯科医院選びは慎重に

ラミネートベニアでは、セラミックチップを貼り付けるときに前歯の表面のエナメル質を0.5mm程度削ります。
通常はエナメル質だけを削ってチップを貼り付ければよいのですが、まれに歯科医師のミスによってエナメル質の下にある象牙質も削ってしまい、歯を痛めてしまうケースがあります。
象牙質まで歯を削ってしまうと、ラミネートベニアの治療後に歯の痛みが止まらなくなるケースもあり、最悪の場合、ラミネートベニアを剥がしてセラミッククラウンをかぶせなおす治療をしなければならなくなることも。
このため、治療を受ける前には、実績が多く経験が豊富な歯科医師が在籍しているクリニックを選ぶなど、歯科医院選びは慎重に行う必要があります。

◎神経のない歯が折れることもある

前歯の虫歯治療で神経を抜いたあと、歯の黒ずみを改善するためにセラミックチップを貼り付ける場合には注意が必要です。
通常の神経がある歯であれば問題ないのですが、神経がなくなった歯はもろくなり歯質が弱まっているため、その状態でさらにラミネートベニアで歯を削ってチップを貼り付けると「神経のないつぎはぎの歯」になってしまい、歯そのものが割れたり歯の根っこが折れるなど、トラブルが発生しやすくなります。
神経がない歯の場合にはセラミッククラウンによる治療の方が適しているケースもありますので、治療前にはどちらの方法が良いのかについて歯科医師に相談しておくようにしましょう。

【ラミネートベニアで美しい歯並びを手に入れる】

ラミネートベニアは短期間で歯並びを改善することができ、歯を白く美しくすることができる優れた治療法のひとつです。
ただし、治療にはメリット・デメリットがありますので、ご自身にラミネートベニアが合っているかどうかをきちんと見極めることも大切です。
もし、前歯のすきっ歯など歯並びのお悩みがあれば、ぜひ一度、ラミネートベニアをご検討されてみてはいかがでしょうか。

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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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