親知らずについて

突然ですが、みなさん、親知らずは生えていますか?親知らずで困った経験はおありでしょうか?
親知らずは正式名称を『第3大臼歯(だいさんだいきゅうし)』と呼びます。
口のいちばん奥に生える親知らずは磨きづらい歯であり、斜めに生えてきたり歯ぐきに埋まった状態で生えてくることもあります。

不衛生になりがちで放っておけば虫歯になりやすい親知らず。
抜くか残しておくかは悩みどころです。
今回はそんな「親知らず」についてお話をさせていただきます。

親知らずのイラスト

■親知らずが生えてくる年齢

1-1.「10代後半~20歳前後」の時期に生えそろいます

永久歯は15歳前後で生えそろうのに対し、親知らずはだいたい「10代後半から20歳前後」の時期に生えてきます。ちょっと遅めですよね。

1-2.親知らずが生えてこない人が増えている

現在、若い世代で親知らずが生えてこない人が増えています。
理由については諸説あります。

「やわらかいものしか食べなくなり、顎が小さくなった」

「鼻で呼吸をせず、口呼吸の習慣によって“アデノイド顔貌(=のどの扁桃が肥大してのっぺりとした顎無しの顔立ちになる症状)”を発症。顎が小さいまま大人になり、親知らずが生えるスペースがなくなった」

上記の説が有力ですが、はっきりとした原因はまだわかっていません。

■親知らずの種類

2-1.親知らずには3種類あります

親知らずの生え方は大きく分けて3種類あります。

①正常にまっすぐ生えてくるタイプ

②斜めになって生えてくるタイプ

③歯ぐきの中に完全に埋まっている、または歯の一部分だけ歯ぐきからでているタイプ

このうち、①の正常にまっすぐ生えてくる親知らずは歯磨きをして清潔を保てば抜く必要はありません。
しかし、②の斜めになって生えてくるタイプは親知らずが前にある奥歯を押してしまい、歯並びの乱れをひきおこすおそれがあります。
③の歯ぐきの中に完全に埋まっている、または一部分だけ歯ぐきの外にでている親知らずも歯並びを乱す原因になることが多いです。

のちにトラブルをひきおこさないためにも、②と③の親知らずは抜いた方がよいでしょう。

■親知らずの抜歯について

3-1.親知らずは処置がむずかしい

まっすぐ生えている親知らずは一般歯科で抜くことができます。
しかし、斜めに生えていたり歯ぐきに埋まっているものは口腔外科での手術による抜歯となります。

中でも、完全に親知らずが埋まっているケースや下顎管(かがくかん:下顎の骨の中にある管で下歯槽神経や下歯槽動脈などが走っている)に親しらずが触れている場合には大学病院など、設備のととのった医療施設で抜歯を行う必要があります。

3-2.抜歯にかかる費用

<保険適用、3割負担の場合>

①まっすぐ生えている親知らず・・・2,000円程度(1本)

②斜めや横向きに生えている親知らず・・・3,000円程度(1本)

③歯ぐきに埋まっている親知らず・・・4,000円程度(1本)

この金額はだいたいの目安です。親知らずの根っこが神経にふれている場合やあごの骨に埋まっているものなど、処置に時間がかかるケースでは5~6,000円(1本)かかることもあります。

上記以外にも、診察、レントゲンやCTの撮影、血液検査や抜歯後の抗生物質、歯が汚れているときには歯石取りやクリーニングなど、さまざまな料金が必要となります。
総額では、親知らず1本あたり『8,000円~18,000円前後(3割負担の場合)』かかると考えておくとよいでしょう。

なお、複数の親知らずを抜くときには前回の来院から3か月以内であれば初診料や撮影料、検査料がかからず、費用を節約できます。

■親知らずの虫歯は治す?抜いてしまう?

4-1.歯科医院によって対応が異なります

これまで、日本の多くの歯科医院では「治してもまたすぐに虫歯になるから」という理由で、虫歯にかかった親知らずは即抜歯、という方針でした。
しかし、最近では「まっすぐ生えており毎日の歯磨きがきちんとできていれば抜歯の必要はない」として、親知らずを抜かない歯科医院も増えています。

親知らずに対する考え方はクリニックごとに異なるため、どの方針が正しい、と決めつけることはできません。
ただし、「親知らずが何度も虫歯になっている」「どうしてもうまく磨くことができない」ときには抜いた方が良い場合もありますので、担当の歯科医師に相談してみましょう。

■親知らずのお手入れの仕方

5-1.「ワンタフトブラシ」を上手に活用

ワンタフトブラシとは毛束が鉛筆の先のようにとがっているブラシで、親知らずや奥歯など、磨きにくい箇所にもヘッドが入りやすいのが特徴です。
もし、どうしても親知らずが磨きづらいときには市販の「ワンタフトブラシ」を使ってみることをオススメします。

【親知らずの処置はできるだけ早めに】

今回は親知らずについてお話をさせていただきました。

親知らずは磨きづらいため虫歯になりやすく、虫歯を放置すれば夜も眠れないほど痛むこともあります。

特に、斜めに生えていたり一部が歯ぐきに埋まっている親知らずは処置が大変です。
親知らずが虫歯になったり歯並びに影響をおよぼさないようにするためにも、できるだけ早めに歯科医院で診察を受けるようにしましょう。

当院での親知らずの抜歯について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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