風邪気味の場合、治療はキャンセルするべき?

「ゴホンゴホン・・・あれ?私、もしかして風邪?だったら歯医者さんキャンセルしなきゃ。」

このようなご経験をされた方も多いのではないでしょうか。
風邪はウイルス性の疾患のため、咳やくしゃみなどの飛沫感染のおそれがあり、「うつしてはいけない」という理由で予約していた歯科治療をキャンセルする方も少なくありません。
でも、「我慢出来ないほど歯が痛い」時や「詰め物やかぶせ物が外れてしまった」時は、一刻も早く歯科医院で治療を受ける必要がありますよね。
では、そんな「歯が痛いけど、風邪をひいている」時はどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、「風邪気味の場合、治療はキャンセルするべき?」について詳しくお話をさせていただきます。

マスクをして熱を測る女性の写真

■風邪をひいているときに、歯医者は行ってもイイの?

風邪をひいているときに歯が痛み出した場合には、歯医者に行くかどうかを迷われる方も多いかと思います。
その理由は、「治療をしてくれる歯科医師やスタッフに風邪をうつしてしまうかもしれない」という心配があるため、歯科医院に行くのをためらってしまう、のではないでしょうか。
でも、ちょっと待ってください。
そもそも、「風邪をひいたときに歯が痛む」というケースは、「風邪が原因で歯の痛みが起きている」場合があるのです。

■風邪が原因で歯が痛くなる

◎風邪はさまざまな身体の痛みをひきおこします

風邪をひいたときに真っ先に痛くなる箇所と言えば、頭痛が起きる「頭」や、咳が出る「喉」、そして身体の節々などの「関節」が挙げられます。
しかし、実は風邪をひいたときには、風邪が原因で「歯が痛くなる」ことがあるのです。
その理由は、普段は体内の免疫機能が正常に働いているため、悪玉菌などのお口の中で「悪さをする細菌」の活動を抑制出来ているのに、風邪をひくことで免疫機能に異常が出てしまい、口腔内の虫歯菌や歯周病菌が健康なときよりも活発に動き出し、歯が突然痛くなる、といった症状が出ることがあります。
これが、「風邪をひいたときに急に歯が痛くなる」現象のメカニズムです。

◎歯の痛みが風邪が原因かそうでないかを見極めることが大切

上記のように、「風邪をひいたことが原因で歯の痛みが発生する」、というケースは少なくありません。
しかし、中には「風邪をひく前から歯が痛み出し、その後風邪をひいてしまった」というケースや、「風邪が治ったのに歯の痛みが取れない」といったケースももちろん存在しています。
このようなケースでは、「風邪が原因で歯が痛んでいるのではなく、もともと虫歯や歯周病があった」と考えるのが適切です。
このため、風邪をひいていて歯の痛みが発生しているときには、「歯の痛みが風邪が原因で起きているかそうでないかを確かめること」が重要なポイントとなります。

■風邪は「治してから歯科医院に行く」が原則

では、風邪をひいているときには歯科治療を受けるべきなのか、風邪が治るまで治療を控えるべきなのか、どちらなのでしょうか。
答えは、原則として「風邪は治してから(症状が治まってから)歯科医院に治療を受けに行くこと」が正解となります。

その理由は、風邪をひいているときには免疫機能が落ちており、無理をして歯科治療を受けても「治療中に痛みが発生」したり、また「咳こんでしまい、治療をきちんと受けることが出来ない」といったことが起きてくるためです。

歯の痛みが「我慢出来る程度」であれば、まずは風邪を治し、それから歯科医院で治療を受けるようにしましょう。

■我慢出来ないほどの痛みがあるとき

風邪をひいているときには風邪の症状が治まってから歯科医院で治療を受けることが原則ですが、「我慢出来ないほど歯が痛む」ときはどうすれば良いのでしょうか。
もし、我慢出来ないほどの強い歯の痛みがある場合にはそのまま放置してしまうと虫歯菌や歯周病菌があごの骨の血管内部に侵入してしまい「骨髄炎」や「全身の疾患」をひきおこすおそれがありますので、治療を行う歯科医師に「風邪をひいている」ということを事前に説明し、治療を受けるようにしてください。

■風邪が治ったあとは必ず歯科医院で診察を受けるようにしましょう

「風邪をひいているときに歯が痛くなり、風邪が治ったら歯の痛みが治まった」というケースでは、「歯の痛みは風邪が原因だったんだ」と思い込んでしまい、歯科治療を受けずに済ませてしまう方が少なくありませんが、これは、大きな間違いです。
そもそも、風邪をひいているときに歯が痛み出すのは、風邪が原因で痛みが起こると同時に、虫歯や歯周病などの何らかのお口の病気がもともと存在しているため、歯が痛む、という理由があります。
このため、歯が痛いときには風邪が治ったあとに必ず歯科医院で診察を受けるようにしましょう。

【風邪をきちんと治し、歯もしっかりと治すことが重要です】

「風邪をひいたときには歯科治療は控えた方が良いの?」についてお話をさせていただきました。

風邪はさまざまな身体の不調をひきおこすため、風邪が原因で歯の痛みが発生することもあります。
そのようなときにはまず風邪をきちんと治し、それから歯科医院で診察・治療を受けて歯を治すことが大切です。
「風邪をひいたら歯が急に痛み出した・・・」といった現象が起きるのを防ぐためにも、日ごろから毎日の歯磨きを中心としたオーラルケアを欠かさずに行うことを心がけるようにしましょう。

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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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