歯周病の原因とは アイコスで歯周病になるってホント?

日本人の9割以上がかかっているとされる歯周病。
歯周病はお口の中にひそんでいる歯周病菌によって引き起こされる感染症の一種であり、炎症性の疾患の事を指します。
歯周病は歯ぐきが腫れて出血したり、膿が出るなどの症状が出てくるほか、症状が進むとあごの骨を溶かしてしまう事もある怖い病気ですが、近年、電子タバコの「iQOS(アイコス)」を使用している人の間で「iQOSが原因で歯周病が増えている」という噂があるのを皆様はご存知でしょうか?
電子タバコとして人気のiQOSは日本でも利用者が増えている為、もし本当にiQOSが原因で歯周病になるとしたら、ちょっと心配になってしまいますよね。
そこで今回は、日本人の多くが悩まされている歯周病を引き起こす原因と、「歯周病の原因にiQOSが本当に関係しているのかどうか」について詳しく解説をさせていただきます。
iQOSを利用している方は、ぜひ、ご覧になってみてくださいね。

アイコスの写真

■歯周病の原因とは

歯周病はお口の中にひそむ歯周病菌によって引き起こされる感染症の一種です。

人のお口の中にはおよそ300種類から500種類の細菌が常に棲みついており、細菌の数は少ない人の場合でも約1000億個、歯磨きをあまりしない人の場合は約1兆個もの数に上ります。
1000億個から多い人で約1兆個もひそんでいるお口の中の細菌ですが、これらの細菌は普段は特に悪さをする事はほとんどありません。
しかし、「毎日の歯磨きをきちんと行わない」、「歯磨きを適切に行っていない」、「甘いお菓子やジュースを過剰に摂取する」、などの悪い生活習慣を続けていると食べ物のカスやプラーク(歯垢)に含まれている糖質が増えてしまい、糖質をエサにしている虫歯菌や歯周病菌が活動を活発化させます。
数が増えて活発化した歯周病菌は歯と歯ぐきの間にある溝の「歯周ポケット」という部分に入り込み、歯ぐきに炎症を起こします。
これが、歯周病菌が歯周病を引き起こすメカニズムとなります。

■タバコと歯周病の関係について

今回、電子タバコとiQOSの因果関係をご説明する前に、ちょっとここで「タバコと歯周病の関係」についてお話をします。

タバコにはニコチンとタールが含まれており、タバコを吸うとお口の中の粘膜が有害物質のタールを吸収して唾液の分泌が減少し、歯周病の原因であるプラーク(歯垢)や歯石が歯に付きやすくなり歯周病になるリスクを高めてしまいます。
そして、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用がある事から血液の循環が悪くなり、歯周病で弱った歯ぐきに酸素や栄養を十分に届ける事が出来なくなってしまい、歯周病を悪化させます。
このように、タバコは歯周病を引き起こし、さらに症状を悪化させるという「ダブルパンチ」の作用を持つという事をまず最初に認識しておく必要があります。

■iQOSは歯周病の原因になる!?

・電子タバコ「iQOS」を吸うと歯ぐきが痛くなる

iQOS(アイコス)とは、紙巻タバコで有名なフィリップモリス社が販売している電子タバコであり、従来のタバコと比べて「有害物質を9割近く削減した」という特徴がある為、多くのタバコ好きの方々から支持されています。
利用者には「アイコサー」という愛称がつけられるほど高い人気を誇る電子タバコのiQOSですが、最近、iQOSに“ある噂”が立っているらしいのです。
それは、「iQOSを吸い続けていると歯ぐきが痛くなり、歯周病を引き起こす」という噂です。

・iQOSが歯ぐきの痛みを引き起こす理由

iQOSの大きな特徴のひとつに「ニコチン以外の有害物質を9割近く削減」という点があります。
この「ニコチン以外の有害物質」とは、総称を「タール」と呼びます。
タバコに含まれているタールを9割近く削減している、というのがiQOSのセールスポイントという訳ですね。
ではなぜ、タールが9割近くも削減されている電子タバコのiQOSを吸うと、歯ぐきが痛くなるのでしょうか?

それは、タールはもともと「炎症を抑える作用」や「抗ウイルス作用」を持つ成分であり、タールが多く含まれているタバコを日常的に喫煙している方は、知らず知らずのうちに「歯周病で起きる歯ぐきの腫れをタバコに含まれるタールが抑えてくれている」事になります。
この為、普通の紙巻タバコを吸っていた時にはタバコに含まれているタールが歯周病の炎症を抑えてくれていたのが、タールが9割近く削減された電子タバコのiQOSに変える事で、それまでタールによって抑えられていた「歯ぐきが腫れる・痛む」といった歯周病の症状が強く出てくるようになります。
つまり、「タバコをiQOSに変えてから歯ぐきが痛み出した」という現象はiQOSを吸った事の副作用で歯周病が引き起こされたのではなく、「もともと歯周病だった方がタールが削減されたiQOSに変えた事により、歯ぐきの炎症を抑える事が出来なくなった」だけなのです。
iQOSは「タバコを吸う」という観点から見れば、普通の紙巻タバコよりも身体への影響が少ない電子タバコであり、タールを減らしたiQOSを喫煙する事で歯ぐきの痛みを引き起こす人が多いのであれば、それはむしろiQOSが通常のタバコよりもタールが削減されている事の証明とも言えます。

【禁煙をして歯周病のリスクを下げる事を心がけましょう】

「歯周病の原因とは iQOSと歯周病の関係」についてお話をさせていただきました。

今回のお話の中に登場した電子タバコのiQOSは、通常の紙巻タバコよりも身体への影響が少ない事が人気の要因となっています。
しかし、紙巻タバコも電子タバコも量の差こそあれど、どちらも歯周病を引き起こし悪化させる原因になる事に変わりはありませんので、出来れば禁煙をしていただくのがベターな選択肢となります。
習慣的な喫煙行為は控え、歯周病のリスクを下げるよう心がけましょう。

当院の歯周病治療についてはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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