メインテナンス、定期検診の重要性「矯正編」

歯列矯正を行ったあとには、歯の健康と歯並びの美しさを保つためのメインテナンスと定期検診が必要となります。
せっかく歯並びがきれいに整ったのに歯が元の位置に戻ってしまっては治療を受けた意味がありません。
矯正治療後のメインテナンスでは歯の後戻り(あともどり)を防ぐ「保定(ほてい)」を行いながら、検診や歯のクリーニングを継続して進めていきます。
ここでは、矯正治療を受けたあとのメインテナンスと定期検診について詳しくご説明をさせていただきます。

メインテナンスの写真

■矯正後の「保定」について

歯列矯正が終わったばかりのときは歯の根っこが不安定で動きやすくなっています。
このときに何もせず放置してしまうと歯が自然と元の位置に戻ってしまう「後戻り」が発生する確率が高くなります。
このため、矯正治療が終わったあとにはきれいに整った歯並びを定着させる「保定」を行う必要があります。

1-1.保定期間中にはどんな器具を装着するの?

保定を行う際には「リテーナー」という器具を歯に装着して歯並びを定着させていきます。
リテーナーには主に以下の3つの種類があり、患者さんのお口の状態や症状によって使用する装置は異なります。

①“床タイプ”のリテーナー

床(しょう)タイプのリテーナーとは、歯の表面をワイヤーで固定しながら歯の裏側部分をプラスチックのプレートで抑える保定装置です。
床タイプのリテーナーは多くの矯正治療で一般的に広く使われており、食事や歯磨きの際にいつでも自由に取り外すことが可能です。

②“マウスピースタイプ”のリテーナー

マウスピースタイプのリテーナーは透明なマウスピースでできた保定装置で、歯や歯ぐき全体を覆う形になっています。
マウスピース式のリテーナーはクリアリテーナーとも呼ばれ、装着時に目立ちにくい、というメリットがあるほか、床タイプ同様、いつでも自分で取り外すことができます。

③“ワイヤータイプ”のリテーナー

ワイヤータイプのリテーナーはフィックスタイプとも呼ばれ、歯の裏側に接着剤でワイヤーを固定する保定装置です。
歯に直接接着するため一度固定したら自分では取り外すことができませんが、ほかの装置よりも小さく目立ちにくい、保定機能に優れている、など、メリットが多いリテーナーのひとつです。

1-2.矯正治療後の保定期間はどれくらい?

○おおよそ1年から3年の期間を要します

矯正治療後にリテーナーを装着する保定期間は患者さんのお口の状態によって異なりますが、早い方で1年、長くかかる場合には3年以上の期間が必要となります。
おおよその目安として「歯列矯正にかかった期間とほぼ同じ期間を保定に要する」と計算しておくとよいでしょう。

○つけ始めから1年間は「24時間装着」

取り外し可能なリテーナーであっても、つけ始めてから1年間のあいだは食事と歯磨きのとき以外は24時間装着する必要があります。
リテーナーの種類によっては取り外し不可能なタイプもあるため、見た目が気になる場合には保定期間に入る前に担当の歯科医師に相談をしておくことをおすすめします。

○歯並びが安定し始めたら装着時間は短くなります

つけ始めからおよそ1年程度は24時間装着が原則ですが、歯並びが安定するにしたがって1日あたり24時間から14時間、就寝の際の7時間だけ、など、装着時間がじょじょに短かくなります。
そして、2日に一度、3日に一度、というようにリテーナーの装着頻度を落としていき、最終的にリテーナーの装着は不要、と歯科医師から診断されたときに保定期間は終了となります。

■矯正後に行うメンテナンスの内容

2-1.定期検診

矯正治療後の保定期間中には定期検診を行い、お口の中や歯列の状態をチェックします。
歯科医師によるチェックを定期的に受けることで虫歯や歯周病など口腔内のトラブルを見つけやすくなり、早期治療につながります。

2-2.リテーナーのチェック

検診ではお口の中を確認するとともにリテーナーの状態もチェックします。
このとき、もしリテーナーに壊れた箇所や不具合があれば修復や調整を行うほか、破損がひどい場合には保定装置の交換を行い、対処します。

2-3.PMTC・スケーリング

PMTCとは専用の器具を使って歯のすみずみまで徹底的にきれいにするクリーニング方法です。
PMTCではふだんの歯磨きで落としきれない汚れやプラークをしっかり除去していくため、虫歯や歯周病予防に効果的です。
また、歯に歯石がついているときにはスケーリングを行い、歯石を取り除いていきます。

2-4.ブラッシング・食生活の指導

保定期間中はリテーナーを装着するためどうしても歯に汚れやプラークがつきやすくなります。
メインテナンスの際に患者さんの歯に汚れが多く付着しているときには歯科医師や歯科衛生士が正しい歯磨きの方法や保定期間中のブラッシングのコツなどについて指導をします。
また、患者さんのふだんの食事の内容をおうかがいして食生活改善のためのアドバイスも合わせて行います。

【後戻りを防いで美しい歯並びを手に入れる】

歯列矯正後のメインテナンスでは後戻りを防ぐことが重要なポイントになります。
リテーナーを装着している保定期間中には器具の破損や口腔内のトラブルが発生することもありますので、お口の中に異常を感じたときにはできるだけ早く歯科医院を訪れ、診察を受けるようにしましょう。

当院での歯の予防について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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