歯周病治療

当院での歯周病治療について

テキスト歯周病は症状が比較的軽い初期の歯肉炎であれば、スケーリング歯石取りや歯のクリーニングで治療可能です。しかし、中程度から重度の歯周病に進行した場合は、歯ぐきを切開して歯周ポケットの深部にある歯垢や歯石、歯周病菌を取り除く必要があります。

当院では、軽度の歯周病治療はもちろん、中程度から重度の歯周病向けの歯周外科手術も行っています。

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    健康な状態

  • 歯肉炎のイラスト

    歯肉炎の状態

    歯垢プラークがたまった状態

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    軽度歯周病

    歯ぐきが赤く腫れている状態

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    中度歯周病

    歯槽骨が溶けて後退している状態

  • :歯槽骨で歯を支えられなくなっているイラスト

    重度歯周病

    歯槽骨で歯を支えられなくなっている状態

歯周外科治療とは

テキスト歯周外科治療は手術をともなう処置になります。歯を支えているあごの骨歯槽骨を溶かしてしまったり、歯ぐきの境目にある歯周ポケットを深くする原因である歯周病菌を根本から取り除くためには、歯周外科処置はとても重要な治療法です。

歯周外科治療を行う目的

・歯根の深い部分にまで清掃器具がしっかり届くようにするため
・歯や骨に接する歯ぐきの部分を増やすため
・深くなってしまった歯周ポケットを浅くしたり、歯周ポケットをなくすため
・歯周組織歯ぐきや歯槽骨などを再生させるため
・歯ぐきや歯根膜の状態を改善するため
・毎日の歯磨きを簡単にできるようにするため
・お口の見た目を改善するため
・入れ歯やブリッジ、インプラントなどの補綴治療前に土台となる歯周組織を改善するため

当院で行っている歯周外科治療

スケーリングおよびルートプレーニング

◎歯周ポケット内部の歯根面に付着した歯石を取り除きます
スケーリングとは、歯に付着した歯石を取る処置です。ルートプレーニングは歯周ポケットのより深い部分の歯石除去になります。歯ぐきの切開などの外科処置は行いません。歯周ポケット内部の歯石除去によって歯と歯ぐきがしっかりと密着し、歯周ポケットが減少することを目指します。

フラップ手術

◎歯ぐきを切開して歯根面に付着した歯石を取り除きます
フラップ手術とは、歯ぐきを切開し、歯根に付着した歯石を取り除く手術です。スケーリングやルートプレーニングでは歯石が取り切れない場合、フラップ手術を行います。歯ぐきを切開して歯根を露出するため、歯石がしっかり取り除ける点がフラップ手術の特徴です。

歯肉切除術

◎深くなってしまった歯周ポケットを切除します
歯肉切除術とは、歯周病によって歯根面から剥がれてしまった歯ぐきを切除する手術です。歯ぐきの切除を行うことで歯周ポケットを除去し、歯磨きをしやすくする目的で行われます。

小帯切除術

◎機能障害や見た目の問題になる小帯を切除します
お口の中には頬の内側、舌、そして上下の唇から歯ぐきにかけて、それぞれに小帯と呼ばれるヒダがあります。小帯は通常、問題がないことがほとんどです。しかし、乳幼児期に上下の唇の小帯が異常に発達してしまい、歯と歯のあいだを超えて歯ぐきの裏側にまで伸びてしまうケースがあります。このようなケースでは前歯と前歯のすき間ができる正中離開すきっ歯や、発音発声障害が起きる可能性が高くなります。見た目が悪くなるなど審美面での悪影響もあり、一定の年齢になっても改善が見られない場合には手術によって小帯を切除します。

口腔前庭拡張術

◎浅い口腔前庭を適切な深さになるまで拡張します
口腔前庭とは、歯歯列と唇のあいだにある頬側外側の部分を指します。口腔前庭は通常、一定の深さがあります。しかし、中には口腔前庭が浅く、歯ブラシをきちんと入れることができないケースがあります。歯周病によって歯ぐきが下がることで歯槽骨をおおう歯槽粘膜にふれやすくなり、歯ブラシの先が当たって痛みを感じるケースもあります。

このようなケースでは、口腔前庭を切開して歯ぐきを移動し、骨膜と結合する口腔前庭拡張術を行います。浅い口腔前庭を手術によって適切な深さにすることが口腔前庭拡張術の目的です。

露出根面被覆術

◎歯根が露出した部分に歯ぐきを移植します
露出根面被覆術とは、歯周病によって歯根が露出してしまった部分に、隣の歯ぐきを移植して根面をおおう手術です。上あごの硬い歯ぐきを切り取り、根面に移植する場合もあります。歯根が露出してしまう理由は歯周病のほか、強すぎる力での歯磨きや噛み合わせの異常などが原因で発生するケースもあります。

CGF(Concentrated Growth Factors)

◎患者様ご自身の血液を使って組織の再生を促進させ、傷の治りを良くします
歯科における再生医療(Concentrated Growth Factors)とは、濃縮した患者様ご自身の血液を用いて手術後の組織の再生を促進させ、傷の治りを良くする治療法です。

再生医療で使用するCGFは、患者様ご自身の血液から生成した「フィブリンゲル」です。歯周外科手術の際にCGFを手術箇所に埋め入れることであごの骨歯槽骨や歯根膜の再生が促進されるほか、切開した歯ぐきの傷の治りが早くなります。

※CGFによる治療はすべて自費診療となります。

エムドゲイン法

◎歯胚タンパクEMDを使い、歯周組織の再生を促進します

エムドゲイン法とは、ブタ由来の歯胚タンパクEMDを使い、あごの骨歯槽骨や歯根膜などの歯周組織の再生を促進する治療法です。

歯周外科手術の切開時、露出した歯根面にエムドゲインゲルを塗り、歯周組織の再生を促進します。ルートプレーニングの際に注射器でエムドゲインゲルを注入する場合もあります。

※エムドゲイン法による治療はすべて自費診療となります。

歯周外科治療のリスク

感染症をひきおこす可能性がある

歯周外科手術では外科処置を行うため、感染症が発生する可能性があります。当院では、手術に用いる器具をはじめとして、治療器具や各種用品の滅菌を徹底し感染予防を心がけております。

当院の滅菌対策について詳しくはこちらをご覧ください

かならずしも歯を残せるとはかぎらない

歯周外科治療は患者様の歯や歯ぐき、あごの骨の状態を再生・改善するために行います。しかし、あまりにも歯周病が重い場合には歯を残せず、抜歯となることもあります。(抜歯になった場合でも歯ぐきや歯槽骨の状態を改善するために歯周外科治療を行うこともあります。)

疾患・健康状態によっては手術を適用できない場合があります

テキスト1型糖尿病や血友病などの疾患をお持ちの方や、人工透析腎透析を受けている方など、患者さんの疾患や健康状態によっては歯周外科手術を適用できない場合があります。

痛みの少ない、安心・安全な治療を心がけております

外科処置、手術と聞くと「怖い」「痛いのでは」とご心配をされる方もいらっしゃいます。当院では、できるだけ痛みの少ない、安心・安全な治療を心がけております。ご安心ください。

歯周外科手術では局所麻酔をするため手術中に痛みを感じることはありません。ご希望の場合は、意識を半分失わせ、リラックスした気分で手術を受けられる静脈内鎮静法もお選びいただけます。(別途実費)

歯周病は重度になると歯周外科治療以外では症状を改善するのが困難になります。症状が重くなる前に予防に努めていただくのがベストですが、中程度~重度の歯周病でも歯周外科治療および歯周再生治療によ
り歯周組織の回復を狙えます。

大切な歯を長く残すためには、毎日の歯磨きを欠かさないこと、そして、定期検診による歯周病メンテナンスを受けることが大切です。

歯周病のお悩みや歯周外科治療に関するご質問がある場合には、歯科医師までご遠慮なくご相談ください。それぞれの患者様に適した治療法をご提案させていただきます。