マウスピース矯正は、痛みや違和感が少なく手軽に治療を始められると、話題の矯正治療方法のひとつですが、費用に関する不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
マウスピース矯正を含む歯科矯正治療は、高額というイメージされる方が多く、
「マウスピース矯正は保険適用になるのかな?」
「少しでも料金の負担の抑えたいけど、医療費控除の対象になるの?」
と、お考えの方も多いと思います。
この記事では、まずマウスピース矯正は保険適用になるのかどうかということや実際にマウスピース矯正でかかる料金の相場などについて、詳しく解説していきます。
マウスピース矯正を受けたいけど、費用のことが気になるという方はぜひチェックしてみてくださいね。
この記事で分かること
現在、矯正治療の中でもマウスピース矯正を検討する方は多く、マウスピース矯正は保険適用になるのかどうか気になっている方もいるのではないでしょうか。
保険適用となるのは、病気や怪我などの治療に限られており、歯科の領域では、虫歯や歯周病の治療などが該当します。
マウスピース矯正を含む歯科矯正治療は、歯並びを整えるための治療ですが、保険適用は認められているのでしょうか。
次の項目で確認してみましょう。
マウスピース矯正を含む歯科矯正治療は、基本的に保険適用外で自由診療となります。
理由としては、「歯並びを整えたい」という審美を目的とした歯科矯正治療は治療には該当せず、矯正に使用するマウスピースも薬事法上では医療機器にすら該当しないのです。
上述のように、マウスピース矯正を含む歯科矯正治療は、基本的に保険適用外となりますが、例外として保険適用となる場合があり、以下のような診断がされると保険適用が認められます。
順番に詳しい内容をみていきましょう。
令和7年現在、厚生労働大臣が定める疾患は以下の66疾患です。
厚生労働大臣が定める疾患で生じる噛み合わせの異常は歯科矯正治療が保険適用となります。
前歯の永久歯が3本以上生えてこない状態で、噛み合わせに異常が生じる場合があります。
この場合の前歯は、上の図の赤で示したように前から5番目までの歯を指します。
保険適用が認められるのは、前歯が3本異常生えてない場合で、歯茎を切開して中に埋まっている歯を取り出す埋伏歯開窓術という処置をする場合のみです。
ただし前歯が1~2本生えてこない場合は、保険適用は認められません。
顎変形症という噛み合わせの異常で、外科手術が必要な場合は保険適用が認められます。
顎変形症とは、上下の顎の大きさや形、位置などの異常によって、顔面の変形やかみ合わせの異常を起こしている状態です。
例えば、極端な出っ歯や受け口の場合、顎から噛み合わせの異常を起こしている可能性もあり、顎変形症と診断されるケースもあります。
顎変形症の治療は、骨を切ったり顎にプレートを入れたりする外科手術が必要で、術後は噛み合わせの安定のため矯正治療をします。
外科手術だけでなく、術後の矯正治療についても保険適用となります。
高額な医療費の負担を抑える制度のひとつに医療費控除という制度があります。
マウスピース矯正は高額になることも多く、このような制度を利用できるのであれば、安心して治療を始められますよね。
一般的に自由診療で保険適用外と言われているマウスピース矯正の治療費も、医療費控除の対象となるのかということを確認してみましょう。
マウスピース矯正を含む歯科矯正治療費は医療費控除の対象です。
医療費控除は、1月1日〜12月31日の1年間で支払った医療費が10万円(総所得金額が200万円未満の人は総所得金額×5%)以上だった場合に受けることのできます。
これは、生計を共にする配偶者や子供の医療費も合算して申告することが可能です。
実際にマウスピース矯正を行う場合、治療費だけでなくマウスピース装置本体の価格・検査費用・通院費など、さまざまな費用がかかりますよね。
マウスピース矯正で医療費控除の対象となる費用は、以下の通りです。
矯正治療は、治療費以外にも細々とかかるお金が多いですが、これら全て医療費控除の対象となると、負担も軽減されますよね。
逆に、以下の項目は医療費控除の対象外ですので注意しましょう。
マウスピース矯正で医療費控除の制度を使うに当たって必要な書類なのはあるのでしょうか。
医療費控除には以下の書類等が必要になりますので、忘れずに準備しましょう。
では、これらの書類はどこで入手できるのか順番にみていきましょう。
確定申告書 | 前の年1年間(1/1〜12/31)で得た所得に対する所得税を計算し、申告・納税するための書類です。税務署や確定申告会場のほか、国税庁のホームページでダウンロードして受け取ることができます。 |
医療費控除の明細書 | 医療を受けた人ごとに、病院の診察、治療費、医薬品購入代など医療費の合計額を記載していく書類です。税務署や、国税庁のホームページからダウンロードして受け取ることができます。 |
診断書 | 審美目的ではなく噛み合わせの不良といった咬合機能回復と明記のある診断書が必要です。 |
源泉徴収票 | 給与所得者は勤務先から一年に一度届く支給された賞与や給与などの総額と、労働者が支払った所得税の金額が記載された書類です。 |
医療費通知書 | 年に一度健康保険から届く、医療機関等からの請求をもとに窓口で負担した金額を計算された書類です。 |
本人確認書類 | マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど本人確認できる証明書を準備しましょう。 |
印鑑 | 書類に押印が必要な場合がありますので、念のため持参しましょう。 |
確定申告書と医療費控除の明細書は、e-taxというサイトからスマホでの申請が可能です。
ただしスマホでの申請には、マイナンバーカードが必要になります。
詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。
マウスピース矯正を医療費控除は、申告したい年の翌年から5年以内であればいつでも申告できます。
例えば、2025年に支払った医療費の医療費控除は2030年12月31日まで申告できるということです。
歯列矯正の治療が終了して時間が経っているという方も、5年以内であればさかのぼって申請できるので、まだ申請してないという方はこの機会に申請してみましょう。
ただし、マウスピース矯正の医療費控除を受けるための確定申告の期間は毎年2月15日から3月15日です。
その年の1月1日から12月31日までの分を支払った医療費は、翌年の3月15日までに申告すると医療費控除が適用され、税金が還付または軽減されます。
マウスピース矯正で医療費控除をしたい場合、歯並びの見た目を整えたいなどという審美目的であれば、医療費控除は申請できません。
ただし、マウスピース矯正の目的が、噛み合わせを改善したいといった口腔機能の改善が目的という診断があれば、医療費控除が申請可能です。
口腔機能の改善を目的とした歯科矯正治療というと子供のイメージで、大人では診断がつきにくいと思われる方も多いと思います。
しかし、大人でも見た目が気になると言って審美目的で始めたマウスピース矯正であっても、噛み合わせから問題がある方が多く、その場合口腔機能の改善の必要があると診断されるため、医療費控除が申請できるという方が多いです。
実際にマウスピース矯正を始めたいという方にとって、実際にかかる費用については気になるポイントだと思います。
全体でかかる料金の相場から項目別に区切った料金の相場まで順番に解説していきます。
マウスピース矯正でかかる料金の相場は、以下の通りです。
部分矯正と全体矯正で、歯を動かす範囲や治療期間が異なるため、料金相場もこのように幅広いです。
マウスピース矯正は、矯正装置本体の料金だけなく、治療にかかる検査料や診察料など、項目ごとで料金がかかります。
それぞれの料金の内訳の相場を記載しておりますでの参考にしてみてください。
それぞれの項目 | 料金相場 |
---|---|
初診料 | 0〜5,000円程度 |
検査料・診断料 | それぞれ1〜5万円程度 |
矯正装置の料金 | 10〜100万円程度 |
診察料 | 0〜1万円程度(1回の通院) |
リテーナー(保定装置)の料金 | 1〜5万円程度 |
初診料とは歯科矯正を始める前に歯科医師と、マウスピース矯正が適応かどうか、矯正治療をどのように進めていくのか、矯正期間や治療方法について確認する際にかかる料金です。
歯科医院によって異なり、有料の場合もあるため、確認してから来院すると良いでしょう。
検査では、歯型採取や口腔内スキャン、レントゲン撮影などを行い、専用の機械を用いて検査していきます。
診断では、検査の結果を元に実際に今の口の状態を確認し、歯科医師が診断をして、具体的な矯正完了後のイメージや治療計画を作成していきます。
検査料・診断料の相場はそれぞれでおよそ1〜5万円程度ですが、歯科矯正にかかる検査は、通常の検査と異なり、精密検査の扱いであるため高額になる場合もあるので注意しましょう。
マウスピース矯正装置の本体の料金は、矯正治療で最も費用がかかる部分です。
使用していくマウスピースの枚数によって費用が変わってくるので、個人差が大きいですが、およそ10〜100万円程度でしょう。
マウスピース矯正では、歯科医院へ通院するたびに診察料が必要になる場合があります。
高くても1万円以内というところが多いですが、矯正治療のプランに含まれていることも多く、歯科医院によっては無料というところもあります。
矯正治療で必須となるのが後戻りを防止するためのリテーナー(保定装置)です。
料金の目安は上下セットで1〜5万円以内で、調整料・管理料が別になっている歯科医院もあるので、よく確認しましょう。
マウスピース矯正は基本的に自由診療ですが、症例により保険適用になる場合もあります。
現在マウスピース矯正を検討中の方の疑問点が少しでも減るよう、よくある質問をまとめました。
マウスピース矯正を含む歯科矯正治療は、子供でも大人でも原則として保険が適用されません。
上述のように、以下のケースに該当する場合のみ保険適用となります。
自分で判断するのは難しいため、歯並びが気になった時点で一度歯科医院に相談してみると良いでしょう。
マウスピース矯正は、「歯並びの見た目が気になる」という審美目的でなければ医療費控除が申請できないということはほとんどありません。
「見た目が気になる」という動機で受診した方も、噛み合わせから異常のあるケースが多く、口腔機能回復の目的の診断となることが多く、医療費控除ができるという方が多いです。
歯科用のマウスピースには、歯並びを整えるマウスピース矯正と、歯ぎしりや噛み締めを予防する目的でつくられるマウスピースの2種類あり、2つは全くの別物です。
歯ぎしりや噛み締めを予防する目的のマウスピースは保険適用が認められています。
かみ合わせ箇所に穴が空いてしまうことがあることから、半年ごとに保険適用でマウスピースの作成が可能です。
一方、歯並びを整えるマウスピース矯正は、上述のとおり基本的に保険適用にはならないため、混同しないよう注意しましょう。
マウスピース矯正は基本的に自由診療で保険適用外となります。
日本には国民皆保険制度があり、病気や怪我などの治療費の一部が保険でまかなわれていますが、審美目的の治療は対象外です。
このため、マウスピース矯正は対象外の場合がほとんどですが、例外として保険適用となる場合があります。
また費用には、矯正装置本体だけの料金ではなく、初診料・検査料・診断料・診察料・保定費用などが含まれ、全体的に高額になる傾向にあります。
しかし、自由診療であっても嚙み合わせの改善の目的であれば、医療費控除の制度も利用できますので、まずどの程度負担を抑えられるのか計算してみると良いでしょう。
そして、歯科医院によって料金はさまざまですので、料金設定が明確な信頼性のある歯科医院を選ぶことが大切です。
わかば歯科クリニックでもマウスピース矯正を行っておりますので、浦安にお住いの方はぜひお越しください。
また、浦安以外でマウスピース矯正をお探しの方は別記事でマウスピース矯正のおすすめ記事もございますので、そちらをご覧になってみてくださいね。