「マウスピース矯正とワイヤー矯正はどっちが痛い?」
「マウスピース矯正は痛みが少ないって聞くけど本当かな?」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
マウスピース矯正とワイヤー矯正にはそれぞれメリットとデメリットがあり、痛みの程度や注意するポイントも異なります。
この記事では、マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリットとデメリットをそれぞれ紹介し、矯正の痛みが強い時の対処法など詳しく解説していきます。
矯正治療を検討中の方で、マウスピース矯正が気になっているという方はぜひ、参考にしてみてくださいね。
この記事で分かること
最近、気軽に治療を始められると話題のマウスピース矯正ですが、ワイヤー矯正とはどう違うのでしょうか。
マウスピース矯正とワイヤー矯正の主な特徴を、まとめてみたのでご覧ください。
マウスピース矯正 | ワイヤー矯正 | |
---|---|---|
痛み | 痛みが少ない | 痛みが出やすい |
見た目 | 透明の樹脂素材で目立ちにくい | 金属のワイヤーで目立ちやすい |
歯磨きのしやすさ | 取り外して簡単にできる | ワイヤーがかかっていて難しい |
食事の制限 | 制限が少ない | 制限が多い |
取り外し | 可能 | 不可能 |
治療期間 | 6ヶ月〜3年程度 | 1年〜3年程度 |
通品頻度 | 2〜3ヶ月に1回程度 | 1〜2か月に1回程度 |
表を見ると、マウスピース矯正は、痛みが少なく取り外しができるため、目立たず飲食や歯磨きがしやすくメリットが多いように感じますよね。
以下でマウスピース矯正とワイヤー矯正それぞれのメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
マウスピース矯正のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
マウスピース矯正は、弱い力で歯を動していくため痛みや違和感が少ないです。
また、取り外しできるので、食べ物の制限が少なかったり普段の歯磨きがしやすいのが特徴です。
歯磨きが十分にできていれば、矯正治療中に虫歯や歯周病にかかるリスクも減るので安心ですよね。
そして、マウスピース矯正はワイヤー矯正のように、来院時に歯科医師が調整する必要がなく、自分で新しいマウスピースに交換していくようになるので、通院頻度も少なくて済みます。
マウスピース矯正は、1日20時間以上装着する必要があるので、自己管理ができなければ効果が十分に出ません。
また、歯並びが乱れが重度の場合など、症例によっては適応できないケースもあります。
そして、移動させた歯のスペースを作るため、ディスキングといって歯を少し削る場合もあります。
削るといっても虫歯治療のように大きく削るわけではありませんが、人によっては歯がしみやすくなることもあるので、あらかじめ歯科医師に確認しておくと良いでしょう。
ワイヤー矯正のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。
ワイヤー矯正は、矯正開始から終了まで装着したままで取り外すことができないので、マウスピース矯正のように自己管理の必要はありません。
また、ワイヤー矯正は重度の歯並びの乱れなど幅広い症例に対応できます。
ワイヤーで歯のひとつひとつに動きを加えられるため、歯の回転や傾きといった細かい調整も可能です。
ワイヤー矯正は、歯に強い力を加えるのでマウスピース矯正と比べて痛みが出やすいです。
また、装置が舌や粘膜に当たって傷や口内炎になるという方も多いです。
取り外しができないこともデメリットの1つで、歯磨きが難しく虫歯や歯周病には注意が必要です。
ワイヤーを避けて磨かなければならないので、先の小さなワンタフトブラシを使用したり、歯間ブラシでワイヤーの隙間の食べかすをとったりと、口の中の清潔を保つことが難しいです。
また、ワイヤー矯正は定期的に歯科医院でワイヤーを調整する必要がありますので、マウスピース矯正と比べて通院頻度は高くなるでしょう。
実際にマウスピース矯正の経験がある方の中には、歯茎が痛い、腫れたという方もいると思います。
ここでは、マウスピース矯正中に歯茎が腫れる原因について解説していきます。
マウスピースで歯茎が腫れる主な原因は以下の通りです。
マウスピース矯正中に歯茎が腫れる影響は、歯肉炎であることが多いです。
歯肉炎とは、プラーク(歯垢)の蓄積が原因で起こります。
1mgのプラークに、1〜2億という量の細菌が含まれているのですが、歯茎周りに付着したまま放置すると、歯茎の周囲の血管は血流を良くして細菌と戦う準備を始めます。
その結果、歯茎が腫れあがり、出血しやすい状態となるが歯肉炎です。
通常口の中には唾液があり、歯や歯茎周りに付着したプラークは唾液によって洗い流されるため、長時間プラークが付着していることはありません。
しかし、マウスピースで覆われていると唾液で洗い流されず、歯や歯茎の周りにプラークが付着したままの状態が続くため、歯肉炎のリスクが上がってしまうのです。
マウスピースの縁が、歯茎に当たっていたり、歯茎への摩擦があると、刺激となり歯茎が腫れることがあります。
マウスピース矯正で歯が動くと、刺激で歯茎が腫れることがあります。
通常は歯は歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨と、歯根膜と呼ばれる骨を支えているクッションのようなもので構成されていて、硬い食べ物を噛んでも歯がグラグラしたり歯が動くことはありません。
しかし、マウスピース矯正により、継続的な力を加えることで、徐々に歯を支えている歯槽骨が移動し、そのなかでクッションのような役割をしている歯根膜が伸び縮みして、歯周組織は炎症を起こしている状態となります。
また、歯の移動によって歯と歯の隙間が狭くなると、食ベカスなどが詰まりやすくなります。
食べカスが歯と歯の狭い隙間に押し込まれたまま放置することで、歯茎が腫れてしまうという場合もあります。
マウスピース矯正で噛み合わせが変わった場合、歯と歯が強く当たる箇所に歯茎の腫れや痛みが生じることごあります。
歯茎はデリケートで、ストレスや疲れで免疫が落ちている時に歯茎が腫れることもあります。
通常、口の中にはあらゆる細菌がいて、身体の免疫力によって守られていますが、ストレスや免疫力の低下で、細菌の力が優位になると歯茎が腫れてしまうこともあります。
歯茎が腫れてしまった場合の対応は、すぐに炎症を緩和する対症療法と原因から治療していく方法があります。
それぞれどのような方法があるのか、確認してみましょう。
炎症を緩和する対症療法 | 原因からの治療法 |
---|---|
・保冷剤などで軽く冷やす ・食塩水でうがい ・口内炎用の塗り薬を塗る | ・歯肉炎:歯磨きを徹底する ・マウスピースが歯茎に当たる:マウスピースを調整してもらう ・歯の移動:フロスや歯間ブラシを使用する ・噛み合わせの変化:噛み合わせを調整してもらう ・ストレスや免疫力の低下など:ストレスや疲れを溜めない |
炎症を緩和する対症療法は、その場しのぎの痛みを緩和する方法です。
マウスピース矯正中に歯茎が腫れてしまった場合、かかりつけの歯科医院へ相談することが最善ですが、すぐに歯科医院へ行くということも難しいことがありますよね。
では、歯茎が腫れてしまった時にすぐに自宅でできる腫れを緩和する方法を紹介していきます。
歯茎が腫れている時は、保冷剤をタオルで巻いて顔の表面から軽く冷やすようにしましょう。
歯茎が腫れている間は、歯茎周りが炎症を起こしていて血流が必要以上に良くなっています。
軽く冷やすことで炎症を落ち着かせることができます。
歯茎が腫れている時は、食塩水でうがいをすると良いです。
食塩水は身体の成分と似ていて、細菌の増殖を抑える効果もあります。
コップ1杯のぬるま湯に小さじ1程度の食塩を溶かし、優しくゆすぐようにうがいをしましょう。
歯茎が腫れている時は、口内炎の塗り薬の使用がおすすめです。
口内炎の塗り薬は、炎症を落ち着かせる成分が配合されているため、口内炎だけでなく歯茎の腫れにも効果的です。
食塩水等でうがいをして口の中を清潔にしてから塗布するようにしましょう。
マウスピース矯正中に、歯肉炎にならないようにするためには歯磨きが大切です。
歯肉炎の主な原因は磨き残しのプラーク(歯垢)です。
プラークは歯と歯茎の隙間に付着しやすいので、歯と歯茎の境目に歯ブラシを当て、毛先が潰れない程度の力でマッサージするように磨きましょう。
歯茎が腫れて痛みがある時には、やわらかめの歯ブラシを使って、優しくマッサージするように磨きましょう。
歯磨きだけでプラークは落とせないので、フロスや歯間ブラシを使うことも効果的です。
マウスピースが歯茎に当たって痛みが出たり、腫れてしまった場合には、歯科医院に相談してマウスピースを調整してもらいましょう。
マウスピースが歯茎に強く当たっている箇所は、マウスピースの縁を削ってもらうことができます。
自分で、マウスピースを削ったり切ったりするのはやめましょう。
歯の移動によって、歯と歯の間が狭くなって食べ物が挟まりやすくなった状態は、歯茎の腫れの原因となります。
歯磨きと併せて歯間ブラシやフロスを使用するようにしましょう。
狭いところに無理をしてフロスや歯間ブラシを入れると、さらに歯茎が腫れたり出血することがありますので注意してください。
歯の移動によって噛み合わせが変わってしまって歯茎が腫れてしまった場合、かかりつけの歯科医院で噛み合わせを調整してもらうようにしましょう。
現代社会でストレスを溜めないようにしましょうというのは難しいかもしれませんが、マウスピース矯正中はストレスを溜めないよう、無理をしないことも大切です。
疲れた時には睡眠をよくとって免疫力が低下しないよう注意しましょう。
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないと言われていますが、痛みが全くないわけではありません。
では、マウスピース矯正の痛みはどのくらい続くのでしょうか。
マウスピース矯正を開始してからおよそ3〜6時間で痛みが出現し始め、2〜3日以内に痛みのピークを迎えます。
ですが、その後1週間程度で痛みのピークは過ぎる方が多いですが、1ヶ月程度は違和感や痛みが少し残る程度となり、気にならなくなる方が多いです。
最初は痛みが出た時には不安になると思いますが、マウスピース矯正を経験した方の多くはこのような経過をたどる方が多いですので、安心してくださいね。
ですが、強い痛みが長く続く場合は、無理をせず早めに歯科医院を受診するようにしましょう。
例えば、マウスピースの縁が歯茎や粘膜に当たって痛みが出ている場合がありますので、何が問題なのマウスピースや口の中を確認してもらうようにしましょう。
マウスピース矯正の痛みについてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、よければ参考にしてみてください。
マウスピース矯正をしていて、痛みが強いときの対処法があるのか気になりますよね。
マウスピース矯正の痛みが強い時の対処法を、マウスピースを付けているときと外しているときに分けて解説にしていきますので、参考にしてみてください。
マウスピース矯正を装着していて、どうしても痛みが我慢できないという時は一時的に外してみましょう。
ただし、マウスピース矯正は1日20時間以上装着することが推奨されていますので、外す時間が長くなりすぎないように注意してください。
マウスピース矯正の装着中に痛みが強い場合は、腫れているとき同様、顔の表面から軽く冷やすようにしましょう。
軽く冷やすことで炎症や痛みを少し落ち着かせることができます。
マウスピース矯正の装着中に痛みが強く、冷やしても我慢できない痛みの時は、歯科医院で処方された痛み止めを飲みましょう。
市販の痛み止めを選ぶ際には、有効成分としてアセトアミノフェンを使用した痛み止めを選択するようにしてください。
痛み止めの有効成分には、主にアセトアミノフェンと非ステロイド解熱剤を使用したものがあり、後者の非ステロイド解熱剤には、抗炎症作用があり矯正中の歯の動きを妨げるリスクがあるため注意が必要です。
アセトアミノフェンの痛み止めは、抗炎症作用が少なく、矯正中の歯の動きを妨げるリスクも低く鎮痛効果もあるため、歯科医院のなかでも矯正治療中に処方するというところが多いので安心して使用できます。
マウスピース矯正は、定期的にマウスピースを交換し、徐々に理想の歯並びに近づけていきます。
歯が移動していないのにマウスピースを交換してしまうと、現在の歯並びとマウスピースの歯型の差が大きく痛みが出ることがあります。
痛みが強い時には歯科医院に相談して、しばらく1つ前のマウスピースに戻すことも検討してみましょう。
マウスピースを装着していて痛みが強い場合、マウスピースの縁が歯茎や粘膜に当たっている可能性もあります。
その場合、歯科医院でマウスピースの縁を削って調整してもらうこともできますので、早めに相談するようにしましょう。
マウスピースを外したときは、歯が元に戻ろうとする力で痛みが出ていることが多いです。
装着している時と同様の対処法もありますので順番に解説していきます。
マウスピース矯正を外している間に痛みが強い場合にも、まずは保冷剤などをタオルで巻いて顔の表面から軽く冷やすようにしましょう。
マウスピース矯正中はあまり食事の制限はありませんが、痛みが強い時には柔らかい食事に変えるようにしましょう。
おかゆやゼリー、うどんや豆腐など柔らかい食事など、食べやすいものを選ぶといいです。
マウスピースを外しても痛みがある時には、歯茎を優しくマッサージをすると良いです。
指の腹を使って優しい力でほぐすようにマッサージをしてみましょう。
柔らかい歯ブラシを使って優しく歯茎周りを磨くように、歯ブラシでマッサージするのも効果的です。
マウスピース矯正の装着中と同様、外している間も痛みが強い場合は、痛み止めを飲むようにしましょう。
マウスピース矯正で痛みが強いという場合には、歯茎の状態を鏡で確認してみましょう。
傷ができていたり、腫れがある場合には早めに歯科医院を受診するようにしてください。
マウスピース矯正かワイヤー矯正はどちらが痛いかに関するよくある質問をまとめてみました。
矯正治療を検討中の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
マウスピース矯正の装置には、歯茎まで覆うタイプのマウスピースと、歯だけ覆うタイプのマウスピースと2種類あります。
歯茎まで覆うタイプのマウスピースは、目立ちにくく歯をしっかりと固定できますが、その分装着時の違和感が強いです。
どちらのタイプのマウスピースにするか、歯科医院でよく相談して選択しましょう。
マウスピース矯正には、歯茎が下がるリスクもデメリットのひとつとして挙げられます。
マウスピース矯正の装置自体が直接、歯茎を下げる原因となるわけではないのですが、マウスピース矯正で歯茎が下がった場合には以下の原因が考えられます。
マウスピースの装着によって口の中の清潔が保たれず歯周病になってしまった場合に、歯肉退縮と呼ばれる歯茎が下がる原因になります。
また、マウスピースの装着時間が守られず、新たなマウスピースを無理に装着することで、歯を支えている歯槽骨という組織が吸収され、歯茎が下がってしまう場合もあります。
マウスピース矯正で、歯茎を下げるリスクを減らすには、歯磨きなど口の中の清潔を徹底すること、決められたマウスピースの装着時間を守ること、治療計画がしっかりとした信頼できる歯科医院で矯正治療をすることが大切です。
マウスピース矯正が痛くて眠れないという時には、我慢をせず痛み止めを飲みましょう。
痛み止めは、歯科医院で処方されたものか、市販のものでも良いのでアセトアミノフェンの成分の痛み止めを選択するようにしてください。
また痛みが強くて我慢できないという場合には、一度外して睡眠を取り、早めに歯科医院へ相談するようにしましょう。
この記事では、マウスピース矯正とワイヤー矯正のメリットとデメリット、痛みへの対処法についてなどご紹介しました。
痛みが少なく、目立ちにくく取り外し可能でメリットの多いマウスピース矯正ですが、痛みや歯茎の腫れが全くないわけではありません。
マウスピース矯正の痛みは、通常2〜3日でピークを迎え1週間程度でピークが落ち着いた後、1ヶ月も経つと軽い痛みや違和感へと落ち着く方が多いです。
マウスピース矯正は1日20時間以上の装着時間を守り日々継続していくことが重要です。
虫歯や歯周病にならないよう、日頃から歯磨きを徹底して口の中を清潔して、痛みが強く出たり何かマウスピースに問題がある場合には早めに歯科医院を受診し相談しましょう。
わかば歯科クリニックでもマウスピース矯正を行っておりますので、浦安にお住いの方はぜひお越しください。
また、浦安以外でマウスピース矯正をお探しの方は別記事でマウスピース矯正のおすすめ記事もございますので、そちらをご覧になってみてくださいね。