実際の歯科現場では、患者さんからこのようなお声をいただくことがあります。

ホワイトニングと一括りにいっても、さまざまなタイプの薬剤があり、口の中の状態によっても向き不向きがあります。

ホワイトニングにはさまざまな方法があり、自分に合ったホワイトニングを行うことが大切です。

この記事では、ホワイトニングをする際に、後悔しないためのメリットとデメリットを以下の項目ごとに詳しく解説します。

ホワイトニングを検討していて、メリット・デメリットを知りたい方はぜひこの記事を参考にしてみてください。

この記事で分かること

• ホワイトニングで後悔する原因5選
• ホワイトニングのメリット
• ホワイトニングのデメリット
• 絶対にホワイトニングで失敗したくない人へポイント4選
• 【男女200人アンケート】歯のホワイトニングをしてよかった点・失敗した点
• ホワイトニングを後悔する前に知っておきたいよくある質問・Q&A

ホワイトニングで後悔する原因5選

ホワイトニングをして後悔することが多い事として、以下の5つがあげられることが多いです。

今回はこれら5つについて、それぞれ解説していきます。

歯がしみる

ホワイトニング後によくあるトラブルに、歯がしみる知覚過敏の症状が挙げられます。

原因は、ホワイトニング剤の成分である過酸化水素が歯の神経を刺激する為です。

また、ホワイトニング後は歯の保護膜でもあるペリクルという薄い膜が一時的になくなる為、外部からの刺激に敏感になります。

症状には個人差が大きく、全ての人がしみる症状が出るわけではなく、症状の程度も、歯の質によりさまざまです。

オフィスホワイトニングの方が、ホームホワイトニングよりも薬剤の濃度が高いため、しみる症状が出る方が多いです。

知覚過敏の症状は一時的なので、だんだん良くなります。
また、ホワイトニング剤の安全性は確立されており、歯が脆くなるといったデメリットはありませんのでご安心ください。

色ムラができた

ホワイトニング後に、白くなったけれども色ムラができる場合があります。

原因は以下の2つがあります。

色ムラはある程度、予測することができますので、後悔しないように事前に歯科医院で確認してもらいましょう。

白くならなかった

「思っていたより白くならずに後悔した」という話を伺うことがあります。

ホワイトニングは、正しい表現をすると「歯を白くする」というより「歯を本来の色味に戻す」という方が正しいです。

セラミックの差し歯や、インプラントのように陶器のような白さではなく、違和感がない自然な白さになります。

人間の歯は、生えてきたときは白く、それが食事を重ねたり経年変化により黄色く色がくすんでくるものです。

このため、もともと歯の色味が暗い人は、効果を感じにくいかもしれません。

歯の質には個人差があり、ホワイトニング剤の効果が出やすい歯の質・効果が出にくい歯の質があります。

それは、もともと持っている歯の質や厚み、色相のパターンにもよりますが、年齢による差もあります。

ホワイトニング施術前に、白さを予測することは難しく、想像していたより白くならないケースもあるのです。

薬剤によってもメリット・デメリットがあるため事前のカウンセリングでしっかり確認しましょう。

すぐに歯の色が戻った

「ホワイトニングを行ったけれど、すぐに元の歯の色に戻って後悔した」という声もお伺いすることがあります。

ホワイトニングを一度行うと、永久的に白さが手に入るわけではありません。

歯というのは、日常生活を送る中で外からの着色因子を吸収していくため、歯の色味も日々後戻りをしていくのです。

ヘアカラーと、同じように考えていただくとわかりやすいかもしれません。

そこで、歯の白さをキープするのにホワイトニング効果のある歯磨き粉がおすすめです。

定期的にホワイトニングの歯磨き粉を使うことで、着色しにくい歯の表面を保ち、ホワイトニング施術後の歯の白さキープをすることにつながります。

ホワイトニングは、継続して行うことで白さをキープすることができます。

費用がかかる

ホワイトニングは、医療保険の適用外の施術であるため自費診療となります。

相場は25,000円〜50,000円程度ですが、使用する薬剤や、ホワイトニングプランによって料金は変わるので、詳しい料金については施術を検討している歯科医院に確認するようにしましょう。

ホワイトニングの種類	料金
オフィスホワイトニング	約20,000円〜50,000円
ホームホワイトニング	約15,000円〜30,000円

クリニックによって費用が異なりますので、後悔しないようにさまざまなクリニックを比較してご検討ください。

ホワイトニングのメリット

ここでは、ホワイトニングのメリットについて解説します。

ホワイトニングをするとどのような良いことがあるのか知りたい方は確認してみてください。

笑顔に自信が持てる

人は見た目で8割が決まると言われていて、その中でも口元は顔の中で最初に目が行く場所です。

ホワイトニングのメリットは、歯を白くすることですが、歯を白くすることで清潔感が生まれ、その方の印象を大きく変えます。

欧米では、ビジネスマンは必ずと言っていいほどホワイトニングを施術されている方が多く、営業成績にも関わるほど口元の印象は、とても大切だと言われています。

私の患者さんには「ホワイトニング後から笑った時に口元を手で隠さなくなりました。自信を持って笑えます！」と言っていただいたことがとても印象に残っています。

ホワイトニングを行うことで、白さを獲得するだけでなく、素敵な笑顔と自信を持つことができることやポジティブになれることは、最大のメリットでしょう。

歯のトーンを上げることにより、歯並びも綺麗に見せることができ、お肌もトーンアップして見えます。顔色が明るくなると、より自分に自信が持てるのではないでしょうか。

歯を強くすることができる

ホワイトニング直後は、普段歯を守るためにあるペリクルという保護膜が一時的に無くなります。

ペリクルは、歯を細菌や傷から守ってくれますが、同時に歯に有効な成分も効きにくくしてしまうのです。

このため、ホワイトニング直後に、歯を強くする有効成分を塗布することで歯を強くすることが期待できます。

歯を強くする成分としては、代表するものとして、フッ素塗布が挙げられます。

歯肉炎を予防できる

ホワイトニングの薬剤は、もともと歯周病や歯肉炎の治療薬として開発されたものです。

その副反応により、歯が白くなることがわかり現在のホワイトニング剤として使われるようになったのです。

ホワイトニング剤は、殺菌効果が高く歯肉炎予防としても有効であると言われています。

歯肉炎予防として効果的なのは、毎日ご自宅で行うホームホワイトニングがお勧めです。

ホワイトニングは、デメリットの部分が取り上げられることが多いですが、口にとって、ホワイトニングはメリットが多いです！

ホワイトニングのデメリット

次に、ホワイトニングのデメリットについて解説します。

ホワイトニングを受けるときに起こりうるデメリットや注意点を知りたい方は確認してみてください。

知覚過敏

ホワイトニングのデメリットとして、知覚過敏が起こる可能性があることが挙げられます。

ホワイトニング剤の薬効成分である過酸化水素により、歯の神経が敏感になることで症状が出ることがあるのです。

また、歯の保護膜であるペリクルがなくなることにより外部の刺激を受けやすくなることも関係しています。

特に、エナメル質が薄い方や、歯の根っこが見えている方、食いしばりがひどい方は知覚過敏の症状が出やすいです。

もともと、知覚過敏がひどい方は、症状が悪化することもあるため、ホワイトニングを受けることはお勧めはできません。

クリニックによっては、事前にしみ止めの薬を塗ってもらうことができたり、アフターケアが充実していたりするところもあるとともに、セルフケアでは知覚過敏用の歯磨き粉も有効です。

ホワイトニングでの知覚過敏は一時的なもので、これにより、歯が脆くなったり、悪くなったりすることがありません。

知覚過敏の症状が起こるかということについては、個人差が大きく、程度も期間もさまざまで、必ず出るというわけではありません。不安な方は、後悔しないように事前に歯科医院でご相談ください。

食事の制限がある

ホワイトニング直後は、歯の保護膜であるペリクルが無くなることで、着色因子を吸収しやすい状態になります。

そのため、オフィスホワイトニング施術後24時間は色が濃い飲食物は控えるとより効果的です。

意外と知られていないことなので、後悔しないようにスケジュール等を確認してからホワイトニングを行いましょう。

着色しやすい飲食物	カレー、キムチ、お醤油、ミートソース、鮮やかな色のお菓子、ベリー系のフルーツ、チョコレート、赤ワイン、コーヒー、コーラ、お茶類
食べていい飲食物	白ごはん、ホワイトソース系、お魚、牛乳、うどん、ヨーグルト、色がついていない飲み物、白ワイン

ランニングコスト

ホワイトニングは一度行うと永久的に白さが継続するわけではなく、日常生活の食事により、後戻りをするというデメリットがあります。

そのため、白さを継続するには定期的にホワイトニングを継続していかなければなりません。

白さを維持しようとするとランニングコストがかかってしまいます。

個人差はありますが、3ヶ月〜6ヶ月のペースで行うと効果的と言われています。

ホワイトニングの種類によっては、ランニングコストを抑えることもできますので、後悔しないように事前によくご相談ください。

絶対にホワイトニングで失敗したくない人へポイント4選

せっかくホワイトニングを受けるとしたら後悔のないものにしたいですよね。

ここでは、絶対にホワイトニングで失敗したくない人に向けて、ポイントを4つご紹介します。

後から後悔しないためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

生活スタイルにあったホワイトニングを選ぶ

ホワイトニングは、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと自宅で行うホームホワイトニングの2種類があります。

どちらも、効果的なホワイトニングですが、メリットとデメリットがそれぞれにあります。

	メリット	デメリット
オフィスホワイトニング	・歯科医院で有資格者による施術で安心 ・1回の施術で白くなる。	・知覚過敏が出やすい ・後戻りが早い
ホームホワイトニング	・自宅で好きなタイミングで行える ・継続しやすい	・白くなるまでに時間がかかる（約10日〜14日）

オフィスホワイトニングは、1回の施術で白くなることができますが、後戻りが早いのが特徴です。

ホームホワイトニングは、好きな時間にできる一方、1日2時間以上を2週間継続しなければ効果は出ませんが、後戻りは少ないのが特徴です。

ご自身の生活スタイルや、目的、性格に合ったホワイトニングを選ぶことでストレスなく継続することができます。

結局、続けることができなかったと後悔しないように、ご自身の生活スタイルに合ったホワイトニングを選びましょう。

オフィスホワイトニングが向いている人	ホームホワイトニングが向いている人
・忙しい人 ・早く白くしたい人 ・毎日続けるのが苦手な人	・在宅ワークの人 ・主婦 ・時間にゆとりがある人 ・知覚過敏気味の人

しっかりカウンセリングを受ける

ホワイトニングは、全ての歯が理想的な白さになるわけではありません。

もともとの歯の質や詰め物がある場所によっては、白くならないこともあります。

また、薬剤の種類でもメリットとデメリットがあり、薬剤が合わなければ途中で中断せざるをえない場合もあります。

後悔しないように、ホワイトニングを行う前に歯科医院でしっかり相談することが大切です。

歯科検診を受ける

ホワイトニングを行う前には、必ず歯科検診を受けましょう。

見た目を綺麗にするのも大切ですが、まずは虫歯がないか、口の中の健康状態をチェックする必要があります。

状態によっては、治療を先にしないとホワイトニングができないこともあります。

また、ホワイトニング後も定期的に歯科検診を受けることで、口の中の健康も維持しながら白さの後戻りもチェックすることができるというメリットがあります。

実際に、ホワイトニングを希望されてきて虫歯が見つかるケースはとても多いです！ホワイトニングを機会に、是非定期的な歯科検診を受けましょう。

セルフケアを行う

正しいセルフケアを行うことで、ホワイトニングの効果が長続きします。

ホワイトニング用の歯磨き粉などを使用すると効果的です。

歯科医院でブラッシング指導を受けることで白さが長持ちするだけでなく、口の中の健康にもつながります。

【男女200人アンケート】歯のホワイトニングをしてよかった点・失敗した点

【アンケート実施内容】

アンケート実施日：2023年8月9日 回答者：全国の20代〜60代の男女 人数：200名 アンケート結果：【200名回答】歯のホワイトニングをしたことがある方へのアンケート

【アンケートの質問内容】

ホワイトニングを後悔する前に知っておきたいよくある質問・Q&A

ホワイトニングを後悔する前に知っておきたいよくある質問をまとめました。

ホワイトニングした後にしてはいけないことはありますか？

色の濃い食べ物や飲み物は控えましょう。

ホワイトニング直後は、歯面が色素を吸収しやすい状態になっています。

その為、ホワイトニング直後（24時間）はできるだけ、色が濃い飲食物は避けるようにしましょう。

ホワイトニングは年に何回くらいするのが理想ですか？

オフィスホワイトニングだと半年に1回、ホームホワイトニングは3ヶ月に1回が理想的です。

ホワイトニングを行ったからといって、一生白さが継続するわけではありません。

歯の質や、生活スタイルにより個人差はありますが後戻りは必ずあります。

白さを継続したいのであれば、定期的なホワイトニングが理想的です。

ホワイトニングは歯に悪いという噂は本当ですか？

歯を悪くすることはありません。

ホワイトニングの薬剤により、一時的に染みる症状が出ることもありますが、それにより歯が悪くなったり脆くなることはありませんので、ご安心ください。

ホワイトニングの平均的な値段はいくらですか？

約25,000円〜40,000円です。

自費診療になりますので、クリニックにより料金はさまざまです。

ホワイトニングプランにより、料金は変わりますのでよくご相談ください。

ホワイトニングは保険適用されますか？

全て自費診療です。

医療保険は適用されませんので、ご注意ください。

まとめ

ホワイトニングは、歯を白くするだけでなく、口の中の健康も促進させるとても良い施術です。

メリットとデメリットの部分を理解し、ご自身に合ったプランを立てることができれば、後悔することはありません。

後悔しないホワイトニングを受けるためには、歯科医院でカウンセリングを行い、不安なことは事前に相談して解決するようにしましょう。

是非、素敵な笑顔を手にいれてください！

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わかば歯科クリニック　理事長　板野　賢