冷たいものがしみたり、歯ブラシが当たるとピリッとした痛みがあったり知覚過敏の症状はさまざまですが、この知覚過敏は、ホワイトニングをした時にも出る症状のひとつです。
白い歯になりたくてホワイトニングを始めたのに、知覚過敏の症状がでてしまうとホワイトニング続けたくなくなってしまったり、生活に支障をきたしてしまったりします。
しかし、ホワイトニングでもし知覚過敏になってしまったとしても、原因と対処法がわかっているときちんと対応ができて、症状を最小限におさえられます。
この記事では、ホワイトニングをした際に起こる知覚過敏の対策について解説していきます。
この記事で分かること
ホワイトニングすると知覚過敏になってしまうことがあるということを聞いたことあるかもしれません。では、なぜそのように言われるのでしょうか。
その原因は、歯の構造とホワイトニング剤です。
歯は、一番外側の硬い組織である「エナメル質」、エナメル質の下にある「象牙質」、さらにその下に歯の神経がある「歯髄」の3つに大きく分けられます。
知覚過敏というのは、刺激と歯の神経がある歯髄までの距離が近くなってしまうと起こりやすくなります。
特に、象牙質には「象牙細管」といって歯髄と繋がっている管が無数にあります。
ですのでエナメル質は、硬い組織のため刺激を与えても歯髄までは伝わりにくいですが、象牙質への刺激は歯髄まで伝わりやすく、知覚過敏として起こります。
ホワイトニングをする際に、薬剤が浸透することで刺激が伝わり知覚過敏の症状が出ます。
ホワイトニングに用いる薬剤の濃度が高ければ高いほど刺激が伝わりやすいですし、エナメル質の状態によっても刺激の伝わり方が違います。
また、かみ合わせが強かったり、歯ぎしりなどの癖があるとエナメル質に「クラック」といって細かなヒビが入ります。
そのヒビから薬剤が浸透して象牙質に刺激を与えてしまうこともあります。
ホワイトニングでしみるかどうか、そのしみる程度には個人差があります。
そもそもホワイトニング以前に知覚過敏がある歯についてはホワイトニングできませんので、自分がホワイトニングした際にしみるかどうかは事前にわかりません。
しかし、ホワイトニング後にこれまでと違う違和感やしみを感じた場合、ホワイトニングによって知覚過敏が生じたと思われます。
この知覚過敏は、一時的なものではありますがやはり心配ですよね。
では、ホワイトニング後に知覚過敏が出た場合どういう対処法があるかを確認していきましょう。
知覚過敏に効果がある歯磨き粉を使います。
「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」という成分が含まれている歯磨き粉は、知覚過敏に効果があります。
「硝酸カリウム」は、即効性のある成分で歯の神経の過敏反応を抑え、「乳酸アルミニウム」は、持続性のある成分で象牙質には多数ある象牙細管をブロックします。
この二つに加えて「高濃度フッ素」、「研磨剤無配合」のある歯磨き粉は更に効果が期待できます。
「高濃度フッ素」は、再石灰化といってエナメル質から溶けだしたカルシウムやリンを補い補修してくれる効果があります。「高濃度フッ素」の歯磨き粉を選ぶ際には、1450ppm程度のフッ素配合が理想です。
「研磨剤無配合」については、研磨剤は汚れや着色を落とす効果があるものの、知覚過敏症状があると刺激になる場合がありますので、無配合の方が望ましいでしょう。
歯科医院で知覚過敏を抑えるコーティング剤がありますのでそちらを塗布してもらうのも対処法のひとつです。
ただし、重ね塗りをした方が効果が高いですので、数回塗布が必要になる可能性があります。
また先ほど、高濃度フッ素はエナメル質の補修してくれると解説しましたが、歯医者でも高濃度フッ素を塗布することが可能です。
市販の歯磨き粉は、フッ素濃度の上限が1500ppmなのに対して歯医者で塗布するフッ素濃度は9000ppmとかなり高いです。
ですので、知覚過敏の対処法として歯医者で高濃度フッ素を塗布してもらうこともあります。
知覚過敏は、外からの刺激によって痛みやしみを感じてしまいます。
ですので、冷たいものや熱いものなどの刺激のあるものは控えましょう。
ホワイトニングの薬剤によっては、歯の表面を覆っている「ペリクル」を剥がしてしまいます。
ペリクルが剥がれると、刺激が伝わりやすく知覚過敏が出やすくなってしまうのです。
ペリクルは、24時間程度で回復してきますので、ホワイトニングを受けた後24時間は、特に刺激物を避けてください。
通常、ホワイトニング後の知覚過敏は一時的なものなので少しずつ落ち着いてきますが、痛みには個人差があり、中には痛みがひどく生活に支障が出てしまう方もいます。
あまりにも痛みがひどい場合、早く症状が緩和できる対処法が必要になってくるので、確認してみましょう。
少しずつ落ち着いてくるとはいえ、痛みが強いと生活に支障がでてしまい、精神的にもつらいかと思います。
痛み止めを服用することで、一時的な痛みの緩和に繋がります。
ただし、服用頻度が多いと胃への負担が大きくなってしまう可能性もありますので注意しましょう。
痛みが強く、対処法を試してみてもなかなか落ち着かない場合は一度ホワイトニングを中断しましょう。
神経が過敏な状態ですので、落ち着いたからとすぐにまたホワイトニングすると同じように強い痛みが出る場合もあります。
痛みが落ち着いてもすぐにはホワイトニング行わず、しばらく日にちをおいて様子を見て、知覚過敏が出ない状態を確認して行いましょう。
その際、ホワイトニング薬剤を塗布して放置する時間を短くしたり、ホワイトニングを毎日行っていたのであれば、3日おきにしたりなど、歯に負担がかからないよう工夫していくのもよいでしょう。
知覚過敏の痛みについて、歯科医院で相談するのも方法のひとつです。
ホワイトニングの歯への影響は個人差が大きいですので、強い痛みが収まらなければ、ホワイトニングを行った歯科医院、ホワイトニング剤を処方した歯科医師へ連絡し相談しましょう。
相談するだけなのに電話しにくいと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、歯科医院側からすると電話での相談は何も問題はありません。
患者さんが、早く症状が緩和できるよう対処してくれます。
痛みの症状の度合いには個人差がありますが、症状が落ち着くまでの期間も個人差があります。
かなり痛い状態が1時間ほどで落ち着く方もいれば、じんわり痛い状態が1週間続く方もいらっしゃるのです。
また、初めてホワイトニングをした時は痛みが出たけれど、その後再度ホワイトニングした時は痛みが出なかったという方やその逆で初めてホワイトニングした時は痛みが出なかったのに2回目は痛みが出たなど、ホワイトニングで痛みが出たからといって毎回その症状になるとは限りません。
ですので、ホワイトニングをする際は毎回、痛みが出るリスクがあり、その症状や期間も毎回違う可能性があるということも理解しておいてください。
ホワイトニングによって生じる知覚過敏の症状は毎回異なる可能性があるので、その都度症状に対応していくようにしましょう。知覚過敏が出たときには我慢しすぎず早めに歯科医院に相談してください。
ロキソニンなどの鎮痛剤の服用で痛みが緩和されることはあります。
しかし、服用の頻度が多いと胃に負担をかけやすいですので注意しましょう。
心配であれば、胃薬と一緒に服用してもよいでしょうが、その際は、飲み合わせなどの問題もありますので歯科医師や薬剤師に相談してみてください。
ホワイトニングで知覚過敏でしみる時によくある質問をまとめました。
はい。知覚過敏の人は、ホワイトニングに用いる薬剤の刺激で痛みが出る可能性が大きいためホワイトニングはできません。
痛みが出るかどうかは個人差があるため、知覚過敏にならない確実な方法というのはありません。
しかし、ホワイトニング後に刺激物を摂取しないことや、フッ素入りの歯磨き粉や知覚過敏に効果がある成分が含まれる歯磨き粉を使うことは知覚過敏の予防になります。
また、ホワイトニング薬剤の中には知覚過敏になりにくい成分が使われているものもありますので、そういったホワイトニング薬剤を取り扱っている歯科医院でホワイトニングをすることもリスクを小さくすることにつながるのでおすすめです。
歯に付着している着色を落として本来の白さにする効果が期待できる歯磨き粉はありますが、歯のトーンを白くする歯磨き粉というはありません。
着色を落とすもしくは、ホワイトニング後に歯の色が後戻りしにくくするといった目的でホワイトニング用の歯磨き粉を使いましょう。
ポリリン酸やハイドロキシアパタイトが含まれているものがおすすめです。
知覚過敏は、個人差がありホワイトニングをしたら痛みが出るのかどうかは歯科医師も本人もわかりません。
しかし、ホワイトニングは知覚過敏のリスクがあることと、もし痛みがでた場合の対処法が理解できていると不安にならずホワイトニングを行うことが出来ると思います。
この記事が、ホワイトニングでの知覚過敏が心配な方のご参考になれば幸いです。
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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢