個人差がありますが、親知らずはおおむね20歳前後に生えてきます。親知らずにまったく異常が起きない方もいます。しかし、親知らずは、ひとたびトラブルが起きると非常に強く痛むのが特徴です。親知らずの痛みを放置していると、悪化した虫歯や歯根圧迫などが原因で夜も眠れないほどの激しい痛みをひきおこすこともあります。
※親知らずが生える時期には個人差があります。
・まっすぐ生えている親知らず
・斜めに生えている親知らず
・ほとんどが歯ぐきに埋まっており一部だけがでている親知らず
・歯ぐきの中に完全に埋まっている親知らず
・歯ぐきの中に完全に埋まっており横向きに生えている親知らず
など、さまざまなケースの親知らずに対応可能です。
下あごの親知らずを抜く際、神経を傷つけてしまうと唇や舌の感覚麻痺が起きることがあります。神経の傷が浅い場合には数か月程度で感覚がもどりますが、大きな傷や神経を切ってしまった場合は一生感覚がもどらないケースもあります。
当院では上記の点に特に注意し、抜歯で発生するリスクを最小限におさえるために以下の取り組みを行っています。
親知らずの中には、歯の根っこが下あごの神経や大きな血管のそばにあるケースがあります。そのようなケースでは特に気をつけて抜歯を行う必要があります。
当院では、親知らずの抜歯の前に歯科用CTを使った精密検査を行っています。CTで親知らずの形や生え方、神経や血管の位置を立体的に把握しておくことで精密・正確な診断が可能となります。
親知らずを抜く、と聞くと「痛いのでは」と心配される方も多いです。当院では、患者様の肉体的・精神的負担を減らすため、できるかぎり「痛みの少ない抜歯」を心がけています。
[麻酔時の痛みを軽減]
〇表面麻酔・・・注射前には歯ぐきに薬剤を塗り、表面麻酔を行います。
〇麻酔液の温め・・・麻酔液を体温に近い37前後に温め、注入時の違和感をやわらげます。
〇極細の注射針を使用・・・極細33Gの注射針を使い、刺入時の痛みを減らします。
〇電動麻酔器を使用・・・刺入時の速度を一定にすることにより、注射の痛みを軽減します。
[抜歯]
〇麻酔を行うため、抜歯の際に痛みを感じることはありません。
[抜歯後の痛み止め]
〇ケースによっては抜歯後に歯ぐきが痛む場合があります。抜歯後に痛む場合は処方された痛み止めをお飲みください。痛みをやわらげることができます。
※静脈内鎮静法※
静脈内鎮静法とは、鎮静薬を静脈内に点滴で注入する麻酔法です。点滴後はふわふわとした感覚ほろ酔い気分のような感覚になり、リラックスした状態で治療をお受けいただけます。
当院では自費の抜歯のみ、静脈内鎮静法をうけたまわっております。「親知らずの抜歯がどうしても怖い」など、強いストレスや不安を感じてしまう場合は歯科医師までご遠慮なくお申し出ください。費用や麻酔の詳細についてご説明をさせていただきます。
当院ではほとんどのケースの親知らずを抜歯可能です。ただし、極端な難症例大部分が骨と癒着している場合などについては提携先の大学病院をご紹介させていただきます。
上記以外の大学病院へのご紹介も可能です。ご希望の大学病院を歯科医師までお伝えください。紹介状をお書きいたします。
・歯の痛みや歯ぐきの腫れがある親知らず
親知らずは奥歯のいちばん奥に生えている歯です。歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすいのが特徴でもあります。もし、親知らずが痛い、親知らずの周辺の歯ぐきが痛い、などの症状がでている場合は親知らずが虫歯になっている可能性があります。
磨きにくい親知らずは虫歯を治しても再発しやすく、虫歯の再発と治療をくりかえしたのち、最終的には抜歯になってしまうケースが多いです。何度も治療をくりかえすのであれば、最初から抜いてしまった方が良いこともあります。
・斜めや横向きに生えている親知らず
斜めや横向きに生えている親知らずは手前にある奥歯を押してしまい、歯並び全体に悪影響を与えることがあります。
・歯ぐきの中に半分、または大部分が埋まっている親知らず
歯ぐきの中に半分、または歯の大部分が埋まっている親知らずは汚れや歯垢がたまりやすく、虫歯や歯ぐきの痛み歯肉炎が起こる確率が高くなります。
・手前の歯を溶かしている親知らず
横向きに生えた親知らずは手前にある奥歯を圧迫し、歯根を溶かしてしまうことがあります。
・嚢胞や腫瘍ができている親知らず
歯ぐきの中に埋まった親知らずのまわりには嚢胞のうほう:膿のかたまりや腫瘍ができるケースがあります。嚢胞は放置するとあごの骨を溶かすことがあるほか、腫瘍は唇や舌の感覚麻痺や顔の変形などをひきおこすこともあります。
・まっすぐに生えており、痛みや腫れがない親知らず
まっすぐに生えており、痛みや腫れも特にない親知らずは抜かなくても問題ありません。ただし、虫歯を防ぐためきちんと親知らずを磨けていることが必須となります。
・完全に埋まっており、ほかの歯を圧迫していない親知らず
歯ぐきの中に完全に埋まっており、ほかのどの歯も圧迫していない親知らずは抜かなくても問題がない場合もあります。ただし、今は症状がなくても、後になって問題が発生する可能性も否定できません。埋まっている親知らずがある場合には、一度、検査をお受けになることをおすすめします。
テキスト「親知らずがヘンな形で生えている」「親知らずが痛む」「親知らずの虫歯をくりかえしている」など、親知らずのお悩みがある場合は当院までお気軽にご相談ください。