子どもを歯医者に連れて行く時のコツ

3歳から5歳くらい、小学校に入学する前の年齢のお子さんをお持ちの方は、「子どもを歯医者に連れて行くのに苦労した」というご経験を一度はされたことがあるのではないでしょうか。
大人でも嫌がる人が少なくない虫歯治療を子どもが嫌うのはある意味自然な行動と言えるかもしれません。
しかし、子どもが嫌がるからと言ってそのまま歯科医院に連れて行くのをやめてしまえば虫歯はどんどん悪化してしまいます。
そこで今回は「子どもを歯医者に連れて行くときのコツ」についてご紹介します。
お子さんがリラックスして治療を受けることができる方法をいくつかお教えしますので、ぜひ、ご参考にしてみてくださいね。

子どもが頬を抑えている写真

■まずは歯科医院選びから

1-1.「小児歯科専門医」がいる歯科医院を選ぶ

小児歯科専門医とは、日本小児科学会が認定する専門の資格を有した歯科医師のことを指します。
小児歯科専門医の資格を取得するためには5年以上の臨床経験が必要なほか、大学の小児歯科講座などで研修を積むことが義務付けられています。
また、専門医の資格を取得したあとも学会や研修会に参加する必要があり、基準を満たした歯科医師だけが小児歯科専門医の資格を更新できます。

小児歯科専門医を標榜する歯科医院は、待合室に絵本が置いてあったり、キッズスペースをもうけるなど、子どもがリラックスして治療を受けることができる院内環境をととのえているところが多く、歯科医師やスタッフが子どもに対して優しく接してくれる、という特徴があります。
子どもが歯医者を怖がる場合には小児歯科専門医の看板を掲げる歯科医院を選ぶようにするとよいでしょう。

1-2.子どもに優しい治療をしてくれる歯医者を探す

小児歯科専門医が近所にない、通える距離にないときには一般歯科を選択することになりますが、その場合でも「子どもに優しい歯科治療をしてくれる」歯医者を選ぶことが大切です。
子どもを叱り付ける、無理やり押さえつけて治療をする、といった歯科医院は今では減ってきていますが、このような「怖い歯医者さん」は子どもの歯医者嫌いをますます悪化させてしまいますので、歯科医院を選ぶ際には子どもに優しい対応をしてくれるところを選ぶようにしましょう。

■子どもを歯医者に連れて行くときのコツ

2-1.ウソをついて歯医者に連れて行かない

子どもが歯医者に行かないから、と言って、「ご飯を食べに行こう」「遊びに行こう」というウソをついて歯科医院に連れて行く方がいますが、絶対にしてはいけません。
なぜなら、子どもにしてみれば唯一信頼できるお父さんやお母さんにウソをつかれ、なおかつ大嫌いな歯医者に連れて行かれる訳ですから「ショックと恐怖」を同時に感じることになり、さらに歯医者嫌いが悪化してしまうのです。
子どもを歯医者に連れて行くときには絶対にウソをつかず、「歯医者さんに行こうね」と優しく話しかけるようにしてください。

2-2.幼児は午前中に受診させる

3歳から5歳くらいの幼児はお昼ご飯を食べたあと、午後になると眠くなったり疲れたりして機嫌が悪くなることが多いです。
このため、子どもを歯科医院に連れて行く際には午前中の時間帯に受診させるとよいでしょう。

2-3.子どもをリラックスさせる

歯科医院に行くときに保護者であるお父さんやお母さんが険しい顔つきだったりそっけない態度を見せてしまうと、子どもの不安はさらに増します。
子どもを歯医者に連れて行く際には、いつものお出かけやお散歩に行くように「自然で楽しい雰囲気」で話しかけ、待合室でもおしゃべりをしたり絵本を読んであげるなど、子どもをリラックスさせるようにしてください。

2-4.歯医者を「恐怖の対象」にしない

普段の生活で子どもが言うことを聞かないときや叱りつけるときに「歯医者さんに連れて行くよ!」という“脅し文句”を使う方がいますが、絶対にしてはいけません。
ただでさえ怖いと感じている歯医者を恐怖の対象にしてしまうと、子どもは「歯医者は嫌な場所、怖いところ」と強く認識するようになります。
脅し文句として歯医者の名前を使うことだけは絶対にやめてください。

2-5.普段から定期的に歯科医院で検診を受けておく

歯医者は虫歯になったときに初めて診察を受けるのではなく、普段から歯科医院に定期的に通い、検診を受けておくことが大切です。
日常生活の一部として歯科医院の定期検診を受けていれば子ども自身も「いつもの歯医者さん」として認識するようになり、歯医者通いのハードルを下げることができます。
また、歯科医院の定期検診は子どもに歯医者さんを慣れさせるだけではなく、虫歯の早期発見・早期治療につながり、歯のクリーニングやフッ素塗布なども行うため虫歯にかかるリスクが下がる、というメリットもあります。
子どもが歯科治療を嫌がる場合には普段から定期的に歯科医院で検診を受け、歯医者通いを「当たり前のこと」として慣れさせておくとよいでしょう。

【無理強いをせずに“おでかけ気分”で歯科医院を利用しましょう】

「子どもを歯医者に連れて行くときのコツ」についてお話をさせていただきました。

以前の昭和の時代には子どもを叱り付ける、押さえつける、といった怖い歯医者さんが多くありましたが、現在ではそのような怖い思いを子どもにさせる歯科医院は減ってきています。
歯医者は「怖い場所」ではなく「お口の中を綺麗にして歯の健康を保つお手伝いをしてくれるところ」です。

子どもを歯医者に連れて行く際には保護者の方が無理強いをせずに普段のおでかけのときのような軽い気分で歯科医院を訪れ、リラックスした状態で診察を受けさせるようにしましょう。

当院での小児歯科について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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