ぶくぶくうがいの効果

うがいの方法にはのどのために行う「がらがらうがい」と、口の中を綺麗にするために行う「ぶくぶくうがい」の2種類の方法があります。
がらがらうがいは風邪やインフルエンザの予防や細菌が体内に入り込むのを防ぐ役割があるのに対し、ぶくぶくうがいには口腔内の清掃、歯周病の予防のほか、口をゆすぐ際に頬やあごの筋肉を動かすことで咀嚼(そしゃく:かみくだくこと)する機能や嚥下(えんげ:飲み込むこと)機能を保つトレーニングにもなります。
今回は「ぶくぶくうがいの効果」についてご説明いたします。

うがいをする女性の写真

■ぶくぶくうがいの“3つの効果”

現在、日本人のほぼ全員が毎日歯を磨いていると言われ、1日2回以上ブラッシングをする人は全体の7割以上にも上ります。
歯磨きをするときにはほとんどの場合、水を口の中に含んでうがいをするため、誰でも知らず知らずのうちにぶくぶくうがいをしていることになります。
このように私たちが毎日行っているぶくぶくうがいですが、ぶくぶくうがいをすることで以下に挙げる3つの効果を期待できます。

▲1-1.歯周病を防ぐ効果を期待できます

歯周病は口の中にひそんでいる歯周病菌やカビ菌などの細菌によってひきおこされます。
歯と歯ぐきのあいだにある歯周ポケットという溝の中にこれらの細菌が入り込むと、歯周病の症状が悪化します。
歯周病対策としてぶくぶくうがいを行う場合は通常のブラッシングで歯の表面の汚れを落としたあと、歯周ポケットの中にたまった食べかすや歯垢(プラーク)を歯ブラシの毛束のサイドを使ってこそぐようにして取り除き、最後の仕上げとしてぶくぶくうがいをすると効果的です。

なお、歯周病を防ぐためには歯ブラシを使ったブラッシングとぶくぶくうがい以外にも歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃用具を使うことで歯と歯のあいだに付着した汚れや食べかすを取り除きやすくなります。
オーラルケアの際には歯間清掃用具を併用するようにしましょう。
また、ご自身で行うケア以外にも歯科医院で定期的にプロケアを受けることにより、歯周病を防ぐ確率をさらにアップさせることができます。

▲1-2.口腔機能のトレーニングに役立ちます

ぶくぶくうがいをするときには口をしっかりと結びながら頬やあごの筋肉を動かすほか、うがいをした水を飲みこまないようにするためにのどに力を入れるなど、意外なほど多くの筋肉を使用します。
このため、毎日ぶくぶくうがいをすることによりこれら口やあご、のどの筋肉を自然と鍛えることになり、咀嚼と嚥下機能の強化に役立ちます。

▲1-3.誤嚥性肺炎の予防になります

年齢を重ねてご高齢になると、食べ物や飲み物を飲み込む嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)をひきおこしやすくなります。
誤嚥性肺炎とは、誤って飲み込んだ唾液が細菌とともに肺の中に入り込み、肺炎をひきおこす病気です。
誤嚥性肺炎を防ぐには、日のブラッシングを欠かさずに行い歯を綺麗にするとともに、ぶくぶくうがいをすることで口の中の細菌を洗い流すことが大切です。
歯磨きをしたあとには必ずぶくぶくうがいをして最後の仕上げを行い、口腔内を清潔に保つように心がけましょう。

■ぶくぶくうがいは「食前のタイミング」でも効果あり

▲2-1.食前のぶくぶくうがいで「口腔機能を目覚めさせる」

食後や就寝前に歯磨きといっしょに行うことが多いぶくぶくうがいですが、食前や何も食べていないタイミングでぶくぶくうがいをするのもおすすめです。
その理由は、口の中は常に細菌が繁殖しているため、食後以外の時間帯にこまめにぶくぶくうがいをすることで口腔内を清潔に保ちやすくなるからです。
また、食前にぶくぶくうがいをすることで頬やあご、のどの筋肉が刺激されて覚醒するため、食事中に「ほっぺたの内側をかんでしまう」「食べ物や飲み物がのどにつかえてしまう」などのトラブルの発生を防止するのに役立ちます。
さらに食前のうがいは口の中を潤すため、食欲増加や味覚をUPさせる効果も期待できます。

■ぬるま湯、お茶、洗口剤を使ったぶくぶくうがいもおすすめ

▲3-1.水以外の液体を使ってもOK(ただしうがいに適しているものに限る)

ぶくぶくうがいをするときには水以外にもぬるま湯やお茶、うがいのための洗口剤を使って口をゆすぐのもおすすめです。
寒い冬など、水道水が冷たい季節によっては水を使ってぶくぶくうがいをすると知覚過敏による痛みを感じてしまうことがあるため、知覚過敏の症状があるときにはぬるま湯を使用してかまいません。
また、ぶくぶくうがいの際にカテキンが含まれたお茶や殺菌効果のある洗口剤を利用することで口の中にひそむ細菌を取り除きやすくなります。

【ぶくぶくうがいで歯周病予防の意識付けを】

今回は「ぶくぶくうがいの効果」についてご紹介しました。

ぶくぶくうがいは口の中を綺麗にするだけではなく、口腔機能を保つなど、さまざまな役割を持っています。
特に、小さなお子さんをお持ちの方や認知症のご高齢者の介護をされている方はお子さんやお年寄りにぶくぶくうがいをさせることにより、うがいをしている本人に歯周病予防の意識付けをするのにも役立ちます。
ぜひ、毎日の生活にぶくぶくうがいを取り入れ、お口の健康を保つようにしてくださいね。

当院での歯とお口の予防について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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