定期検診にかかる治療費、期間について

定期検診とは歯科医院で定期的に行う検診のことを指します。
定期検診では虫歯や歯周病の有無をチェックするほか、必要に応じて歯のクリーニングや歯石取りなども合わせて行います。
現在では日本国内でも予防歯科に対する人々の意識がじょじょに高まりつつあり、定期検診を受ける人が増えてきています。
今回は「定期検診にかかる治療費や期間」についてご説明いたします。

歯科検診のイメージ写真

■定期検診を受ける意味

1-1.欧米では「予防歯科」がスタンダード

欧米の先進国においては虫歯はかかってから治すものではなく、「虫歯を未然に防ぐ」という予防歯科の考え方が浸透しています。
歯は一度でも削ってしまうと二度と元の状態に戻すことはできません。
欧米の先進諸国では予防歯科を子どもからお年寄りまで幅広い年齢の人たちが「歯の健康を守るための基本的な項目」として認識しており、セルフケアに加えて歯科医院で受けるプロケアも合わせて活用しています。

これに対して日本では、以前は「歯医者は虫歯になってから行くところ」といった誤った考えを持つ人が多かったのですが、今では欧米の先進国の影響もあり、少しずつではあるものの、ようやく日本国内でも「虫歯は未然に防ぐことが大切」という予防歯科の意識が根付きつつあります。

1-2.病気の早期発見・早期治療が可能になる

歯科医院で定期検診を受けることにより、虫歯や歯周病などのお口の中の病気をいち早く発見することができ、早期治療につなげることができます。
虫歯や歯周病は早めに発見してなるべく早く治療を開始すればするほど、治療にかかる時間や費用を減らすことができ、治療の際に感じる痛みも少なくなります。

■定期検診にかかる費用

2-1.定期検診の費用は保険適用外

定期検診はお口の中の診察をのぞき、歯のクリーニングやフッ素塗布などの項目には基本的に保険を適用することができません。
保険は適用される範囲について「必要最低限の治療に限る」というルールがあるため、虫歯や歯周病の治療ではない予防歯科の目的で行う定期検診には保険を適用することができないのです。
ただし、歯石取りに関しては歯周病の治療として行う場合に限り、「初診とその次の来院時の2回に分けて歯石を取る」という条件を満たすことで保険が適用可能となります。

2-2.定期検診にかかる費用について

①健康保険の場合

診察(初診料)・・・702円(3割負担)、2,340円(控除前)

お口の中の状態を確認して虫歯や歯周病の有無をチェックします。

歯石取り(スケーリング)(歯周病治療の一環として行う場合に限る)
・・・192円(3割負担)(1回分の価格)、640円(控除前)

制度上、2回に分けて歯石取りを行い、合わせてかんたんな歯のクリーニングをします。
保険で歯石取りを行う場合には、1回の歯石取りでは上あごか下あご、どちらか片方のあごの歯のみしか歯石を取ることができないため、2回に分けて通院する必要があります。
保険を適用して行う歯のクリーニングは歯科医院によって方法が異なり、清掃内容も自費のPMTCと比べると簡易的なものになります。
なお、保険を適用して行う歯石取りや簡易的な歯のクリーニングを継続して受けたい場合には、制度上、前回の処置から3ヶ月以上の期間を空ける必要があります。

レントゲン・・・1,206円(3割負担)、4,020円(控除前)

虫歯や歯周病の疑いがあるときには必要に応じてレントゲン撮影を行います。

歯周基本検査・・・150~600円(3割負担)、500~2,000円(控除前)

歯と歯ぐきのあいだにある歯周ポケットの深さや歯のぐらつき具合を測定し、歯周病の有無をチェックします。

歯科疾患管理料・・・300円(3割負担)、1,000円(控除前)

虫歯や歯周病が見つかり、歯科医師から病気の内容や治療方針の説明があった場合に支払う料金です。

歯科衛生実地指導料・・・240~300円(3割負担)、800~1,000円(控除前)

虫歯や歯周病が見つかり、歯科衛生士から歯磨き指導や病気に対する療養指導があった場合に支払う料金です。

②自費診療の場合

自費診療で定期検診を受ける場合には歯科医院ごとによって価格が異なるため、以下に挙げる費用はおおよその金額となります。

定期検診・・・およそ1万円程度(診察とPMTCがセットの価格)

診察と歯石取り、歯のクリーニングであるPMTCをセットで行います。
自費診療で行う歯のクリーニング「PMTC」とは、「Professional mechanical tooth cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」の略で、専用のチップやブラシ、カップなどの器具を使って歯のすみずみまで徹底的に清掃します。

フッ素塗布・・・およそ500円程度

歯の再石灰化をうながす効果があるフッ素を歯の表面に塗布します。

唾液検査(虫歯)・・・およそ2,500円程度

お口の中の唾液を検査して虫歯菌と酸に対する強さを調べます。

唾液およびプラーク検査(歯周病)・・・およそ3,000円程度

お口の中の唾液や歯に付着したプラークを調べて歯周病菌の量や種類を測定します。

■定期検診はどれくらいのペースで行けばイイの?

3-1.「3ヶ月に1回」の頻度がベスト

歯科医院で受ける定期検診の頻度についてですが、それぞれの方の症状によって違いはあるものの、おおむね「3ヶ月に1回」のペースで定期検診に通うことをおすすめします。

自分自身で行う歯磨きはどうしても磨き残しがでてしまい、完全に歯垢(プラーク)を落としきるのは不可能なため、除去しきれない歯垢はやがて歯石になって付着してしまいます。
虫歯や歯周病の原因となる歯垢や歯石を落とすためにも3ヶ月に1度は定期検診に通い、クリーニングを受けて歯を綺麗にしておくことをおすすめします。

3-2.虫歯になったことがない、なりにくいという方は半年に1回でもOK

歯ぐきの腫れや出血がなく、虫歯にかかったことがない、もしくは治療が必要になるほどの虫歯になったことがない、という方は定期検診は半年に1回程度のペースでもかまいません。
ただし、定期検診を受ける頻度を半年に1回程度にするのであれば、現在行っているセルフケアの質を落とさないように努力をする必要がある、ということを忘れないようにしてください。

3-3.歯磨きをおろそかにしがちな方は歯のクリーニングを毎月受けるのがベター

歯磨きをしていても虫歯になってしまう方、または歯磨きをするという習慣があまりなく、いつも歯垢や歯石がたくさん歯に付着しているような方の場合、毎月PMTCを受けた方が良いでしょう。
ただし、PMTCに頼ってばかりでは歯の健康は守ることができませんので、歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けるとともに、毎日の歯磨きを正しい方法で行う習慣をしっかりと身につけるようにしましょう

■定期検診で虫歯や歯周病が見つかったら

定期検診で虫歯や歯周病が見つかった場合には、患者さんの同意を得た上でそれぞれの病気に対応した治療を進めていきます。
虫歯や歯周病の治療にかかる費用は保険や自費の違い、歯科医院ごとの違いがあるため、一概に「この価格です」と言うことはできません。
もし、費用について知りたいときには治療を受ける前に歯科医師にたずねてみてください。

【セルフケア+定期検診で歯を健康に保ちましょう】

「定期検診にかかる治療費や期間」についてご説明をさせていただきました。

虫歯予防は毎日の歯磨きを中心としたセルフケアが基本となります。
しかし、虫歯を未然に防ぐにはセルフケアだけでは十分とは言えません。
大切な歯をいつまでも健康に保つためにも、セルフケアと合わせて歯科医院で定期的に検診を受けるようにしましょう。

当院での歯の予防について詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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