口腔内写真を撮っているクリニックのメリット

歯科治療をするときには必要に応じてレントゲンやCTなどの撮影機器を使い、口腔内写真を撮って診断の材料とすることがあります。
虫歯は大きくなれば目視で見つけることができますが、歯の内部にどれだけ虫歯が広がっているかは分かりません。
近年の歯科医療の現場では、レントゲンやCTは治療を成功させるために必要不可欠なものとなっています。
今回は、「口腔内写真を撮っているクリックのメリット」についてお話をさせていただきます。

歯科用CTの写真

■レントゲンとCTの違い

現在、歯科医院で利用されている撮影機器には主なものとしてレントゲンとCTがあります。
この項ではレントゲンとCTの違いについてご説明します。

○レントゲン

レントゲンとは、目的となる物質にエックス線という電磁波を照射し、物体の内部の様子を確認する検査方法の一種です。

1.パノラマレントゲン

パノラマレントゲンはお口の中全体を写し出すことができるレントゲンです。
日本国内の普及率は約95%でほぼすべての歯科医院で扱われています。
パノラマレントゲンは歯と骨の状態を確認することができますが、情報は大まかなものであり、画像の鮮明さはデンタルレントゲンよりも劣る、という欠点があります。

2.デンタルレントゲン

デンタルレントゲンは部分的にお口の中を撮影するレントゲンです。
日本国内ではほぼ100%の歯科医院に普及しています。
デンタルレントゲンはパノラマレントゲンと違いお口の中全体を撮影することはできませんが、はっきりとした画像を写し出すことができます。
このため、細かいところを確認したい場合にはデンタルレントゲンの方が適しています。

●レントゲンのデメリット

パノラマレントゲンはお口の中全体を確認でき、デンタルレントゲンは部分的にはっきりとした画像を写し出すことが可能ですが、どちらのレントゲンも二次元の情報しか得られないため、奥行きや厚みなどの立体的な情報が分からない、というデメリットがあります。

○CT

CTとは(Computed Tomography)の略で、日本語に訳すと「コンピューター断層撮影」となります。
断層撮影という名前のとおり、CTは対象物を輪切りにした画像、つまり物の断面を確認することが可能です。
CTは輪切りにした画像をコンピューターで処理し、三次元の立体的な画像にして表示できる、という特徴があります。

●CTのデメリット

CTは三次元の画像を表示できるという利点がある反面、機器の特性上、従来のレントゲンよりも撮影時の被爆量が多くなります。

■口腔内写真を撮ることのメリット

1.歯の中にできた虫歯を確認することができる

レントゲンは歯の中にできてしまった虫歯を確認することができます。
レントゲンは照射したX線の透過性が高い箇所は黒く、低い場所は白く写ります。
歯の密度が高い場所は白く写り、その逆に密度が低くなっている場所は黒く写し出されます。
この性質を利用し、目視では見ることが不可能な歯の内部にできた虫歯を確認できます。

2.あごの骨の状態を確認することができる

レントゲンは虫歯のほかにも、あごの骨の状態も確認することができます。
虫歯のときと同様にあごの骨の密度が高い場所は白く写り、密度が低くなっている場所は黒く写し出されます。
この性質を利用し、あごの骨が歯周病によって溶けてしまっているかどうかを確認できます。

3.精密なインプラント治療が可能になる

インプラント治療の際にCTを用いることで「インプラントの埋め入れ位置」「あごの骨の骨量」「神経や血管の走り方」などを立体的な三次元の情報で確認でき、より精密なインプラント治療が可能となります。

4.親知らずの抜歯に役立つ

親知らずは歯の根っこが斜めに埋まっていたり、歯ぐきの内部に親知らずが完全に埋まっていることも多く目視では正確な診断ができませんが、CTを使うことで歯の根の形状や親知らずが埋まっている位置を確認できます。
また、CTは神経や血管の走り方を立体的に確認できるため、的確で安全な抜歯が可能となります。

5.根管治療に役立つ

歯の根っこの部分を清掃する根管治療の際にレントゲンやCTを利用することで「根管の先まで薬剤が充填されているかどうか」「根の先に病変がないか」などを確認できます。

■撮影時の被爆量について

歯科治療に限らず医療現場において広く用いられているレントゲンやCTですが、これらの撮影機器を使用する際には放射線を使うため、患者さんは必ず被爆することになります。
このため、健康への影響を心配される方も多いのですが、日本人が年間に受ける被爆量は平均で1.5ミリシーベルトなのに対し、歯科治療の際のレントゲンではパノラマレントゲンで「0.03~0.04ミリシーベルト」、デンタルレントゲンで「0.01~0.02ミリシーベルト」、CTで「0.1ミリシーベルト」とごくわずかであり、放射線によって健康が損なわれる心配はありません。
また、妊娠中の被爆についてですが、歯科治療時のレントゲン・CTはお口とあごの部分のみを写すためお腹の中にいる赤ちゃんに影響を与える確率は低く、安全とされています。
しかし、もし精神的に不安があるようでしたら、撮影前に歯科医師に相談をするようにしてください。

【精密な治療には欠かせないレントゲンやCT】

「口腔内写真を撮っているクリニックのメリット」についてご紹介をさせていただきました。

歯科用レントゲンやCTはどちらも精密な治療をする上で欠かせない機器です。
目視だけでは口腔内の正確な情報を把握するのは不可能ですので、安心・安全に治療を受けるためにはやはりこれらの機器を備えていることが必須条件となります。
もし現在、虫歯や歯周病などお口の病気でお悩みがある場合には、レントゲンやCTの設備が整っている歯科医院で治療をお受けになることをおすすめします。

歯科用CTについて詳しくはこちらもご覧ください。


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わかば歯科クリニック 理事長 板野 賢

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